かねてより石坂浩二の物知りぶった口調が鼻についていた。
そう、テレビ東京の「開運!なんでも鑑定団」(テレビ東京、火曜 21:00〜)である。
この番組では様々なものが鑑定の俎上に乗るわけだが、鑑定の際に彼が口をはさまぬものはない。九谷の焼物に「これはいいものだよ」と言ったかと思えば廃盤レコードを見て「これは高いよ」とうそぶく。
俺は美術品も解るけど、くだけた趣味にも理解があるのさ(東京弁)といった物わかりのよいインテリ気取りがとても嫌だった。別に東京弁はいやじゃないけど。
果たしてこの慶應卒の学士様はそんなに物知りなのだろうか。
そんな我々の疑問をすっきりとさせてくれる番組が先日放映された。秋の特番「大興奮クイズここまで出てるのにー!!」(10/9 日本テレビ 21:30〜)だ。
このクイズは最初に賞金100万円を渡しておいて間違えるごとに5万円ずつ減らしていくシステムで、番組が進むほど賞金が減ってもり下がるまずいしくみだ。しかも問題が簡単で「ここまで出てるのに」感は全くない。
番組としては失敗だったが、しかしそれを補って余りある収穫をアンチ石坂派である我々に与えてくれた。
そう、彼はそう頭が良くなかったのである。
流行歌やアニメの問題が答えられないのはインテリ様には仕方ないこととして、政治経済の問題なら大丈夫かと思えばさにあらず、金丸信の名前も笹川良一の名前も答えられず彼は着々と点数を減らしていき、結局は出場者中最下位に終わった。
物を知らないだけならまだしも、問題なのはその態度だ。自己防衛のためか彼は素直に知らなかったという態度をとろうとしない。
伴宙太の事をドカベンと間違えた秋野暢子に向って彼は「ドカベンはちがうよ」と言い放ったのである。
だったら答えろよ石坂。解らずに黙っているより間違っても回答する方が上なんだからな、このシステムでは。
「なんでも鑑定団」は「紳介=あほ VS 石坂=かしこ」という構図で成り立っており、紳介のちゃちゃ入れを石坂が諌める場面もあった。この番組は奇しくも紳介が司会で、立場が逆転とはいかないまでも、少なくとも石坂はかしこではないということが判明したわけだ。
はからずも渡嘉敷や中山秀征より物を知らないことが明らかになった石坂。さあどうする。おまえに起死回生の妙薬はあるか。【吉】
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