輝け! 東京福袋テレビ大賞 2019

「Quick Japan」のお気に入りの企画だった「テレビ・オブ・ザ・イヤー」がいつの間にかなくなってしまい寂しかったので、昨年から僭越ながらこのブログを書いている我々「東京福袋」(みやしたゆきこ、吉野 忍)が勝手に「テレビ・オブ・ザ・イヤー」を選んでいます。

東京福袋が選ぶ2019年バラエティ番組ベスト10。
10位からお送りします。

目次

⑩ 中山功太の新たな可能性

しくじり先生 俺みたいになるな!!(2019年7月9日 / テレビ朝日)

ピン芸人の中山功太が登壇!R-1ぐらんぷりで優勝してブレイクした中山功太先生は、周りの人を「面白くない」と否定し続けた過去を大反省。「東京の芸人全員おもんない」「R-1ぐらんぷりに出ている芸人全員おもんない」「俺のネタで笑わない客おもんない」と周囲を否定した結果、仕事ゼロになり、他人を面白くないと言っている自分自身が一番面白くないことに気づいたと告白。その経験から、否定する暇があったら行動することが大事だと教えてくれました。

「しくじり先生」公式サイトより

中山功太が「自分以外全員面白くない」と無駄に尖っていた過去の自分の声を借りて立て板に水の芸人あるある批判。ニュースター誕生の予感。この手法は使える。賞レース後や勢いのある芸人に「昔の俺ならこう言ってたと思う」の前置き付きで毒舌吐きまくってほしい。

⑨ やむをえずの全編生放送

「クイズ☆正解は一年後」(2019年12月30日 / TBS)

今年で7年目に突入!
1年を振り返るクイズを“年始に収録”し“年末に答え合わせ”する『クイズ☆正解は一年後』は、もはや年末の風物詩!
1月某日、出題・解答ブロックの収録が今年も行われた。芸能人の結婚に始まり…芸能界・テレビ界を中心に、2019年に関する様々なクイズを出題。まだ起きていないことを様々な角度から予想するため珍解答も続出!!
年末に放送される際に解答者たちは自分の答えを覚えているのだろうか!?
そして1月に予想した解答はどこまで合っているのか!!
驚きと爆笑が渦巻く新感覚クイズ番組を今年もお楽しみに!!

「クイズ☆正解は一年後」公式サイトより

いわゆる「闇営業」騒動の中心人物のひとりとして6月から芸能活動を休止している田村亮(ロンドンブーツ1号2号)がレギュラー出演しているこの番組。果たして12月の生放送には復帰できるのだろうか、あるいは放送すらまるごと中止になるのではなかろうかと我々ファンをやきもきさせたが、1月に収録した出題・解答パートをほぼ全編カットし12月の生放送ですべて処理するというウルトラCで切り抜け無事オンエア。
まあ、放送されたのはありがたいのだけれど、解答パートとは名ばかりの悪意と悪ふざけに満ちた大喜利コーナーこそがこの番組の最大の魅力なのにアレが見られかった無念さで大幅ポイントダウン。一方、なにがなんでも番組として成立させてオンエアするという制作スタッフの心意気に120点差し上げたい。

⑧ 魔王無双

「さんまのお笑い向上委員会 魔王加藤令和に降臨ワッキー、ナダル、オラキオ撃沈」第百八十八話「魔王的新時代の迎え方 “ミスったら即モザイクSP”」(2019年5月4日 / フジテレビ)

① またもやザブングル加藤無双。故郷の銘菓をさんまに渡すところから始まり、「ゲロを吐かしたる」とバケツを取り出し(「ドキュメンタル7」のセルフオマージュ)、この日の放送は令和一発目ということで「令和に行けないヤツはボカシ入れます」と宣言、オラキオ、ワッキー、ナダルというプライドがステップアップの邪魔をしていると思しき3人の芸人を完膚なきまでにやっつけ、涙を流しながら「漫談を聞かせろ」と何度も迫る不条理さ。
② 「閉店ガラガラ」でのアインシュタイン稲田による芦田愛菜と山瀬まみのモノマネに腰を抜かす。ありえない人選。でもちょっと似てるんだよこれが。

⑦ 2019年イチのお笑い重大ニュース

「全力!脱力タイムズ」(2019年11月29日 / フジテレビ)

ザキヤマに似ている俳優小手伸也の後にサプライズ的にホンモノのザキヤマが登場し、「脱力タイムズ」アンタッチャブル復活企画これにて完結。

⑥ 「BIGナス」というパワーワード

「水曜日のダウンタウン みんなの説スペシャル☆たまりにたまった細かい説を一挙大放出!!」(2019年10月30日 / TBS)

「濡れたナスとイルカの感触一緒説」を検証。横浜・八景島シーパラダイスに目隠しで連れて来られたアントニーに「触ったものは何?」というクイズを出題。濡れたカボチャ、濡れたニンジンを正解し、続いてイルカを触って「BIGナス」。

⑤ 底知れぬ男西村

「金曜★ロンドンハーツ 2時間スペシャル」(2019年1月25日 / テレビ朝日)

「男性芸能人スポーツテスト」企画。西村瑞樹(バイきんぐ)の意外すぎる俊足&怪力が発見される。
決勝でおたけに僅差で破れたものの、四十を超えた小太りの体型で50m走で快走。「よくこれまでバレずにいたよね」(ザキヤマ)、「足が速いのは知ってましたが、まさかここまでとは」(小峠)。
腕相撲で対戦して西村が圧勝、「西村さんはバケモンやと思います。気軽にいじらん方がいいと思います」(かまいたち山内)、「Kawasakiのアームロボットみたい」(チョコプラ長田)。
いや、どこまで奥の深い男なのか西村。実はギリシャ語が喋れるとかヒヨコの雄雌鑑定ができるとか土地家屋調査士の資格を持ってるとかどんな突拍子もない才能が明かされてももうそれほど驚かない自信がある。

④ 面白キャラの天才西田

「テレビ千鳥 第2回面白キャラを作ろう!!」(2019年6月9日 / テレビ東京)

「第2回面白キャラを作ろう!!」企画。今回も「ボール一個分ボールマン」(ずん飯尾)、「サーキット少年デジタルさとし」(ダイアンユースケ)、「未来キャッチャー歩」(千鳥大悟)など愉快なキャラクターが続々誕生したが、やはり「入院関羽」「お湯ジェントル」を生み出した笑い飯西田がダントツ。完成された世界観。
「面白キャラ」のLINEスタンプ発売に続き、大悟のメインキャラ「イニガ」が漫画化だって。しかもコロコロコミック増刊。コラボ相手は「テレビ千鳥」でいいのかコロコロ! イニガで本当に大丈夫なのか小学館!

③ ポン村上を一刀両断

「ロンドンハーツ」(2019年4月16日 / テレビ朝日)

近頃精彩を欠くように見える田村淳も狩野英孝相手だとまだまだ充分にバラエティの場で活躍できることを再確認。
はんにゃ金田相手に延々と狩野の悪口を垂れ流すフルーツポンチ村上のVTRを見て、「僕が金田だったらこんもり吐いてました」と三四郎小宮がナイスコメント。
最後の最後に登場して村上を一刀両断したキレッキレのザキヤマ無双。ザキヤマの話術と分析力はM-1審査員でも充分通用すると思う。テレビとお笑いがとにかく好きで好きで、という感じが誠に頼もしい。
そして、ポン村上はこれまで通り「芸人らしくない芸人キャラ」で突き進むのか、あるいは「嫌われ者のクズ」としてキャラチェンするのかまだ迷っているように見える。

② M-1史に残る名シーン

「M-1グランプリ2019」(2019年12月22日 / テレビ朝日)

「爆笑ファクトリーハウス 笑けずり」(NHK BSプレミアム)のぺこぱと「有田ジェネレーション」(テレビ朝日)レギュラーだったインディアンスという思い入れの深いフレッシュなコンビがファイナル3組に残るという嬉しい決勝。
そしてファイナルに残ったもう1組は「面白い」と噂には聞いていたがノーチェックだったミルクボーイ。いかつい駒場と愛嬌のある丸顔の内海の見た目のバランスよし、内海の圧の強い喋り方よしの鮮やかな直球しゃべくり漫才。球が速くて重い。
「駒場のおかん」の疑問に答えようとする内海が駒場の出すヒントに意見を行ったり来たりさせるフォーマットのシンプルな面白さ。調子の良かったインディアンスとぺこぱの斬新なノリつっこまない漫才を制して見事チャンピオンに。
ミルクボーイの漫才は、最初に駒場が客席からエアプレゼント(?)を貰う仕草をすると、内海が「ありがとうございます、今、○○をいただきました。こんなんなんぼあってもいいですからね」と言う、いわゆる「つかみ」がある。
今回、「M-1グランプリ」の番組の一番最後にMCの今田耕司が「さあ、最後の10秒、ひとことどうぞ!」と声をかけると、駒場が客席に前方に手を伸ばし、内海が「ありがとうございます、今、トロフィーをいただきました!」。
駒場がすでに胸に抱いていた優勝トロフィーを改めて掲げ、内海がガッツポーズをキメたところで番組終了。
M-1史上一番鮮やかで面白くて泣けるラストシーンだった。

① 東京福袋テレビ大賞 2019

それではいよいよ第1位、です!

「水曜日のダウンタウン」(2019年5月8日 / TBS)

第1位は問答無用、文句なしの「新元号を当てるまで脱出できない生活」。
ルールのバランスよし、挑戦したななまがりの真面目とシュールのコンビ間の回答バランスよし。そして何といっても森下が考えた「歯姫」が素晴らしすぎた。
ギャラクシー賞 2019年5月度月間賞を獲得。またTシャツ、プリクラ用の額など予想外の展開に。

東京福袋が選ぶ2019年パーソン・オブ・ザ・イヤー

蛍原徹(雨上がり決死隊)

「闇営業」問題で宮迫博之が謹慎している間、雨上がり決死隊の冠番組「アメトーーク」の留守をしっかり守った功績と、「さんまのお笑い向上委員会」の「閉店ガラガラ」コーナーで堀内健(ネプチューン)とのネタ「ホトシュール」の相棒としての活躍により、ホトちゃんにパーソン・オブ・ザ・イヤーを贈りたい。
MCなのにひな壇の話の流れを止めて達者さをアピールする宮迫が「アメトーーク」の難点だと感じていたので、現在の蛍原+ベテランお笑い芸人という番組の進行を邪魔しないMCシステムは本当に見やすくてありがたい。
耳馴染みの良い声質と安定したテンポで行う番組進行の技術の高さは以前から感じていたが、持ち前の穏やかな雰囲気と良くも悪くも動じない性格で「アメトーーク」のピンチを乗り切った。
また「東京03飯塚大好き芸人」の回(2019年12月5日)で、飯塚悟志のツッコミの巧さを見せるため、軽くボケて自己紹介しろと言われたシーンで、「ムニエル徹」「津軽海峡徹」「蛍原軍手イボイボ」と、ごっついボケを立て続けにさらりと披露した点も大きく評価した。

東京福袋が選ぶ2019年企画賞

「新元号を当てるまで脱出できない生活」(「水曜日のダウンタウン」2019年5月8日 / TBS)

2019年はやはりこれ。「テレビ大賞」にも選んだななまがりの「新元号を当てるまで脱出できない生活」(「水曜日のダウンタウン」)に企画賞をさしあげたい。
で、7月に開催されたななまがりのライブのタイトルは「歯姫元年」だって。最高すぎる。
今後、令和元年を思い出す時、同時に「歯姫元年」を思い出すことだろう。

最後まで読んでくださりありがとうございました。

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