テレビをこじらせた東京福袋が書いたノンキなテレビコラム集。

今年の年末も見たい!「芸人デカスロン」

ケンパ

芸人デカスロン~お笑い10種競技バトル~」(2019年12月29日 / フジテレビ)。

昨年末、12月29日の夕方16時から17時というトボけた枠でオンエアされた特番。
大掃除やら年賀状書きやらで、のんびりテレビを見ていられない感じの時間帯である。

とはいえ、出演者は一線級揃いだし、番組を進行するのもフジテレビのバラエティエース佐野アナだ。
はて、これなんじゃろ。
気になったのでどういう番組かわからぬままとりあえず録画しておいたら、これがまあ大当たりだったので遅ればせながらご報告しておきたい。

2019年 最後の賞レース開幕。
M-1、R-1、キングオブコント。
数々の芸人が歴史にその名を刻んできた。
しかし!
ロケ、ひな壇、リアクション。
バラエティ番組における活躍の場は無限大!
この番組は10種の競技でお笑い総合力を競い合う新たな芸人の祭典!

お笑い総合力ナンバーワン決定戦
芸人デカスロン!
オープニングナレーションより

MC席にはアンタッチャブル山崎とハライチ澤部という、バラエティ界の天才児が並んで座っている。
進行役にフジテレビの佐野アナが控えているので、ザキヤマと澤部は番組の進行を気にすることなくボケるもスカすもツッコむも自由という理想的な布陣である。

審査方法

テレビ好きの視聴者50名が審査。
タレントとしてのテクニックを競う技術点50点+どれだけ笑えたかを競う笑術点わらじゅつてん50点=合計100点満点で採点。

それにしてもワラジュツ点。語呂も語感も悪すぎ。
じゃあどうすりゃいいのさと問われたら、確かにコレという代案が浮かばない。「オモシロ点」は古臭いし「お笑い点」じゃ平凡すぎ。「笑点」じゃ日テレだ。

1回戦Aブロック – 食レポ

 一風堂「特製白丸ラーメン」

ラーメンがうますぎて東ブクロが気絶、森田が店員の胸ぐらをつかんで猛抗議するくだりに大笑い。

さらば森田

あんた、うまくし過ぎちゃうんかい! うまくし過ぎて気絶しとるやないかい! どんだけうまくしたら気ぃ済むねん! 人が一人うますぎて気絶してるんすよ!
技術点 笑術点 合計
○ジャンポケ 29 42 71
☓ロッチ 26 26 56
○三四郎 41 30 71
○さらば 32 38 70

1回戦Bブロック – 通販

 「Gゼロクッション」「ゴムポンおそうじシート」

ホンモノの実演販売士、レジェンド松下を迎えての「通販」チャレンジ。お題の「Gゼロクッション」(なすなかにし、四千頭身)と「ゴムポンおそうじシート」(かまいたち、あばれる君)は実在の商品。
かまいたち山内による「ぼくらはM-1よりもこっちのタイトル狙ってたんで、やっとその日が来たなと思っております」という対戦前のコメントがナイス。

技術点 笑術点 合計
○なすなかにし 39 40 79
○四千頭身 38 33 71
☓かまいたち 18 39 57
○あばれる君 37 32 69

2回戦Aブロック – 足つぼ

 「足つぼ日本一新橋店」與那嶺茂人

「痛みをリアルかつ面白く伝える表現力」を問われるこのステージには、バラエティの罰ゲームでおなじみの與那嶺よなみねさんが登場。

ザキヤマ

正直、足つぼって一番やられたくないんですよ。なぜなら何の音もしないでしょ。結構痛いのに全然伝わらない。

痛みでのたうちまわっている最中の三四郎小宮が「自分から眼鏡を飛ばしていた」と澤部が鋭い指摘。

ハライチ澤部

ホントは体のうねりで飛ばしたいんですよ。でも意外と飛ばなかったから途中でバーンってやってんですよ。

なお、足つぼマッサージを施した與那嶺さんによると、小宮は頭、森田は腸が悪いとのこと。

技術点 笑術点 合計
○三四郎 45 45 90
☓ジャンポケ 30 44 74
○さらば 36 40 76

2回戦Bブロック – サイエンス

 テスラコイル

日テレ「ウチのガヤがすみません!」でおなじみのビリビリマシーン「テスラコイル」を用いたリアクション芸を披露するステージ。
電流の激しさを伝えるため、「風船」「蛍光灯」「フラッシュコットン」「ステンレス保護手袋」の4つのアイテムを自由に使用できるルール。
ナレーションによると「バチバチと激しい音を立てるため、電流に負けない大声も鍵となる」らしい。想像するだに恐ろしい。

ザキヤマが「相当無茶しそうなメンバー今日多い」と嬉しそうに煽る。
「電気はこわいんだよお! 電気はこわい!」と悲壮な顔で嘆くあばれる君。

ザキヤマ

よく骨が見えるみたいなのあるじゃないですか。
感電
体内に電気が流れて骨が見える例

ナレーションで言っていた通り、なすなかにしの声がテスラコイルのバチバチ音にかき消されうまく伝わらない。なすなかにしがっくり。別に声の小さい人達ではないのに!

そして、なすなかにしの次にチャレンジしたのは、声が小さくリアクション芸のイメージのない四千頭身。
バチバチ音と真っ向から勝負するのを避け、実験している後藤が何か言うたび都筑と石橋が声を聞き取ろうと耳に手を当て近づいていくという戦法で笑わせる。
四千頭身ならではのサイレントリアクション芸。

技術点 笑術点 合計
☓なすなかにし 34 35 69
○四千頭身 43 48 91
○あばれる君 32 42 74

準決勝 – 大御所

 大和田伸也

「ロケ番組のオープニングトークに登場した“大御所”の自虐たっぷりのネガティブ発言に対し、うまく場を盛り上げつつ面白く切り返す」という、何かと気を使う大御所タレントとうまく渡り合える能力が問われるステージ。
大御所役には俳優の大和田伸也が扮する。

トップバッターの四千頭身、大和田は不機嫌全開で「どうせ私のことなんて若い人誰も知らないでしょ」とカマしてくる。
四千頭身は一生懸命礼儀正しく接するのだが、取り付く島もない。
「好きなテレビとかあります?」と聞けば、「自分の出てるドラマしか見ないよ」。
けんもほろろの大和田に、「じゃあ、共演できるように頑張りたいと思います」と必死に食らいつく四千頭身。
ドラマに出るなら「もっとドスがきいた声がいい」「まず腹から声を出せ」というアドバイスを受け、後藤が腹式呼吸の発声にチャレンジするが全然大きな声が出ない。
その様子を見て思わずくすりと笑ってしまった大和田。
「笑っちゃってません?」「笑ってますね」などと四千頭身と審査員席がざわざわすると、厳しい顔になった大和田が「私は笑っていない!」と大声を出したところで終了。

続く三四郎は芸歴の差か、四千頭身よりスムーズな展開。
以前クイズ番組で小宮が大和田を「伸也」と呼び捨てにしたという話や、小宮の初めてのドラマ出演のたった一言の台詞が「燃えちまえ」だったという話など、終始穏やかムード。
最後は小宮が大和田の肩を抱いて「だから伸也、仲良くいこうよ」。

技術点 笑術点 合計
○四千頭身 27 34 61
○三四郎 44 43 87
☓さらば 26 34 60
○あばれる君 28 30 58

決勝戦 – お笑いショート5種

佐野アナが「お笑いショート5種」と種目名を発表すると「5種?」「5種?」と芸人達がざわつく。

ザキヤマ

急に5種?

ハライチ澤部

1種1種であんな苦しんでたのに?

さて、決勝の「お笑いショート5種」は、ステージ上のベルトコンベアから次々と流れてくる5種目のショートネタに対していかに短時間で笑いを作れるかを競う過酷なステージ。
審査員は以下の5種目すべてを見た上で「笑術点」のみで採点する。

  1. ゲテモノを食べて一言(セミ)
  2. 音楽に合わせて面白ダンス(B’z「ultra soul」)
  3. マイクに向かって大声で一言
  4. ビンタをされてノーリアクション
  5. 放送残り5秒という設定での優勝者の締めコメント

なお、先攻の三四郎がチャレンジしている間、四千頭身は競技の内容がわからないよう目隠し・ヘッドホンで待機している。
年末のどさくさにまぎれてオンエアしたゆるゆるの番組かと思ったら、何かいろいろちゃんとしてるのだった。

先攻:三四郎
[ゲテモノ]
ベルトコンベアから流れてきたセミを躊躇なく口に入れて咀嚼する相田。
[面白ダンス]
小宮が踊っていると「ultra soul!!」で急に前に出てポーズをとる相田。

三四郎小宮

お前がやんのかよ。
(チャレンジのオンエアなし)
[ビンタ]
マッチョにビンタされて真顔の相田。
[締めコメント]
トロフィーを受け取った小宮が「いや〜、ありがとうございました。がんばりました〜!」とコメントすると相田が小宮のモノマネ。

三四郎相田

ひや〜、ありがとうごじゃいました〜。がんばりまふぃた〜!

三四郎小宮

マネしなくていいんだよ!
後攻:四千頭身
[ゲテモノ]
セミを口に入れた都筑に、後藤が「どう?」。

四千頭身都筑

昔食べたことがある味です。

四千頭身後藤

食ったことあんのか。
[面白ダンス]
石橋は特技の「自分の頭を10秒で20回蹴る」を生かしたダンス、都筑は「カンナムスタイル」風のダンス、何もできなかった後藤は「ultra soul!!」だけ笑顔でキメる。
[大声]
ためらいながらマイクに向かう後藤。

四千頭身後藤

えーと、THE W、どうなったの?

ハライチ澤部

今日ね。今日やってるからね。
※「生放送と同時刻に収録中」とのテロップが出た。
[ビンタ]
マッチョにビンタされて一瞬目をつぶったがすぐに真顔で正面を見据える都筑。

ハライチ澤部

男前!
[締めコメント]

四千頭身石橋

まさか
自分が一番
鳥になれるとは思ってませんでした。

四千頭身後藤

誰が何出てんだよ。

結果発表

優勝 三四郎 85点
準優勝 四千頭身 83点

というわけで、熱戦を勝ち抜き、第1回芸人デカスロン王者に輝いたのは三四郎。
これまで自虐的に「無冠」をアピールしていた三四郎がとうとうチャンピオンになった。

三四郎小宮

M-1とかも別にそんな優勝してないですし、キングオブコントとかも出てたんですけれども、それでも優勝とかもできなかったんで。
僕らに向いてるのデカスロンだったんですね。

という小宮のホンモノの優勝コメントでスタジオ大笑い。

一方、佐野アナが「83ポイント! 2ポイント足りません!」と叫ぶ中、頭を抱え悔しそうな四千頭身後藤。

四千頭身後藤

2位めちゃくちゃ悔しいっすね。

ザキヤマ

そうやってね、みんなハマっていくのよ、デカスロンに。

こんな時間帯のオンエアだからどうせグダグダでゆるゆるの量産型バラエティだろうとナメていたら、これが意外や2019年の年末年始の中でも指折りに面白い番組だった。
ワタナベ×4、吉本×2、マセキ×1、松竹芸能×1、人力舎×1、ザ・森東×1という出演者の所属事務所のバランスもなかなかよし。

で、番組ロゴがまたカッコいいんだよ。
“お笑い10種競技”がピクトグラム化されてるの!

芸人デカスロン
食レポとか足つぼとかのピクトグラムが素敵。

今年の年末には、三四郎をディフェンディングチャンピオンとして迎え、第2回芸人デカスロンを開催してほしい。
是非、M-1やKOCに並ぶようなお笑いのコンテストとして大きく育ててください、フジテレビさん。【み】

出演者

MC審査委員:山崎弘也(アンタッチャブル)、澤部佑(ハライチ)
ゲスト:新川優愛
進行:佐野瑞樹(フジテレビアナウンサー)/ステージ進行:藤本万梨乃(フジテレビアナウンサー)
挑戦者:あばれる君、かまいたち(濱家隆一、山内健司)、さらば青春の光(東ブクロ、森田哲矢)、三四郎(小宮浩信、相田周二)、ジャングルポケット(斉藤慎二、おたけ、太田博久)、ロッチ(中岡創一、コカドケンタロウ)、なすなかにし(那須晃行、中西茂樹)、四千頭身(後藤拓実、都築拓紀、石橋遼大)
通販:レジェンド松下/足つぼ:與那嶺茂人(足つぼ日本一新橋店)/サイエンス:市岡元気/大御所:大和田伸也