どう考えたってそんなに旨いわきゃないのに、盛んに「美味しい」と主張するのをやめないセブンイレブンのお弁当CM。コンビニ弁当なんていうのは、24時間手軽に食べられて安価なところが魅力なんだから、もう「美味しい」っていうのはよした方がいいと思う。
さて、そのセブンイレブンの向こう見ずな主張を宣伝させられているのが渋谷琴乃なわけだが、CMを見るたび何か強い違和感を感じていたのだった。
どこがおかしいのか。
この夏、がんがん流されているセブンイレブンのCMをじっくり見て、ようやくその違和感の源を発見した。
眉だ。
いや、渋谷の眉が特別に太いとか繋がっているとか3本生えているとかいうわけではない。なかなか形の整った美しい眉毛なのだが、なにがヘンって、その動きが非常に気になるのである。
たとえば「セブンイレブンの…」という時など、ブのあたりで声が高くなるのだけど、同時に眉がぐっと上がる。気をつけて見るとわかると思うのだが、西洋人ならいざ知らず、日本人でそういう仕草をする人は殆どいない。表情が乏しい日本人は喋る時に眉はあまり動かさないのが普通だ。そこにセブンイレブンのCMの違和感の秘密があったのだった。
などと考えつつテレビを見ていたら、他にもいた。眉で語る人間が。
それは「違いのわかる男」宮本亜門である。カネボウの口紅のCMで決め台詞を言う時に、やはりぐっと眉が上がる。
あの年齢不詳の童顔で眉を上げ下げしながら語られると、何事かと思わず画面に見入ってしまう。ある意味でカネボウは素晴らしいCM効果を上げているのであった。
これからのCMタレントは眉で語ることを要求されるようになるかもしれぬ。って、なりゃしないよ、そんなこと。【み】
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