テレビをこじらせた東京福袋が書いたノンキなテレビコラム集。

♪エ〜シ〜 公共広告機構です

樹木

ある一連のCMが気になっている。猫がゴミ置き場に捨てられている映像を流しては「命を大切に」と訴え、樹木が切られて泣いている妖精を写しては「森を大切に」という。前園真聖を大写しにしては「いじめ、カッコ悪い」と訴え、巷の人を虫にたとえては「ジコ虫、増えてます」という。最後に必ず「♪エ〜シ〜」というジングルが流れる。さよう、「公共広告機構」の一連のCMである。
なぜ我々が注意を受けなければならないのか、しかもありとあらゆる点をあげつらって、という理不尽な思いをいつも抱く。相手が「公共広告機構」という、名乗っているようで誰だかはっきりしない団体なのがまた癪なところである。しかも問題をあげつらうばかりで具体的な対策は一向に示そうとしないのだ。
道端で人をつかまえて説教をしだすおじさんのようなこの「公共広告機構」とは、一体何なのか?そこで公共広告機構のサイトにアクセスしてみた。
サイトによれば、公共広告機構は「日本広告界最大級の団体」で、「広告を、営利目的のためだけでなく、公共のためにも役立てようと全国の企業が集まった団体」ということだ。会員には電力、新聞、放送、銀行をはじめとする日本の大企業が名を連ねている。
年度ごとにキャンペーンをきめ、TV、新聞、ラジオなどのメディアで広告をうつらしい。キャンペーンが環境問題、公共マナー、覚せい剤撲滅、いじめ解消、骨髄バンク、臓器移植、障害者への協力など多岐にわたるのはご存じのとおりである。
なるほどなあ。趣旨はわかった。少しでも世間様のお役に、ということだな。
しかし警視庁が覚せい剤撲滅をうたったり学校法人の団体がいじめ解消を主張するならまだわかる。だがなぜ私と対等の立場にある貴方から注意をうけなきゃいけないのか。そこにガーディアン・エンジェルスにも通じる「腑に落ちなさ」を感じる。
少なくとも自分たちが誰なのか、自分たちがその問題についてどんな努力をしているのかを積極的にアピールし、協力を仰ぐという形にしない限り、上から物を言っているような感覚は拭えないんじゃないだろうか。まあ、余計なお世話ですが。【吉】