来年4月から「ドラえもん」(テレビ朝日)の声優が一新されるという。
MSN-Mainichi INTERACTIVEによると、新声優は「子供でも男の声優でもいい。試行錯誤しながら、全体のコンセプトの中で統一的に切り替えたい」と同局の常務が語っているらしい。また、新声優はオーディションで選ぶそうだ。
さあどうなる、新ドラえもん。
今年の4月にT.K.Oの木下隆行を推した私だが、仮に木下がオーディションを受けたとしても残念ながら採用される可能性は低そうだ。
「ドラえもん」といえば、テレビ朝日の看板番組であるばかりでなく、既に“国民的アニメ”。生半可なキャスティングでは、テレビ朝日も世間も納得しないのではなかろうか。
そこそこのキャリア、巧いという評判、知名度あるいは話題性があり、現在ドラえもんの声優を務める大山のぶ代の声や演技のニュアンスを多少なりとも引き継げる者……私が予想する新ドラ声優のイメージはこんな感じだ。
大山のぶ代が急に亡くなって交代するわけではなく大々的に宣伝して新声優になるわけだから、ルパンやカツオのように先代そっくりに演ずる必要はないだろう。だが、番組関係者は「あまりギャップがあるのも視聴者から苦情が……」などと考えるような気がするのである。
さらに、長く務められるよう、ある程度若くて丈夫そうな人がよろしかろう。
というわけで、新ドラ声優を改めて予想してみた。
大山のぶ代といえば、「ブーフーウー」「ダットくん」など、NHK「おかあさんといっしょ」黎明期の人形劇の声優を務めていた人。
また、のび太役の小原乃梨子は「ブンブンたいむ」のブンブン役、スネ夫役の肝付兼太は「ブンブンたいむ」のごじゃえもんや「にこにこ、ぷん」のじゃじゃ丸、ジャイ子役の青木和代は「ドレミファ・どーなっつ!」の空男…といったように、現在の「ドラえもん」のレギュラー声優陣は「おかあさんといっしょ」の人形劇出身者が多いのである。
「おかあさんといっしょ」の人形劇の声優は、いわば天下のNHKのお墨付きだ。しかも、現在週5日放送である上、全国で頻繁にイベントが開催されているわけだから、この収録を無事にこなしている声優なら体力も実績も充分だろう。
そこで、まずは「おかあさんといっしょ」の人形劇のレギュラー声優経験者から2人を予想してみる。
一人目は「にこにこ、ぷん」のぽろり、「ドレミファ・どーなっつ!」のれっしーを演じていた中尾隆聖。ハスキーな声と柔軟な演技力を持つベテラン声優である。
歌が非常に巧く、「みんなのうた」の「ペンギンパラダイス」「Go Go!コケコッコー」を唄っていたのもこの人。「ドラえもん」は劇中歌を唄う機会が多そうなので、中尾の歌唱力が生きるのではなかろうか。
また「アンパンマン」のバイキンマン役も務めているため、「バイキンマンがドラえもんに!?」といった話題性もある。
ただし、中尾の場合、スネ夫役も悪くない気がする。
もう一人は、現在「おかあさんといっしょ」内で放映中の「ぐ〜チョコランタン」のジャコビ役を務める山口勝平。
「犬夜叉」の犬夜叉、「らんま1/2」の早乙女乱馬、「名探偵コナン」の工藤新一、「ONEPIECE」のウソップなど、コミカルな役柄から二枚目までこなす達者な声優だ。成人向アニメ「サウスパーク」WOWOW版でカイルの声を演じており、ケニーが死ぬたびに叫ぶ「この人でなし!」というお約束の台詞も忘れがたい(最近はケニーが死なないので叫ばなくなっちゃったけど)。
少年役を得意とする山口はのび太もイケそうだが、個性的で愛嬌あるハイトーンの声がドラえもんにうまくマッチすると思う。
さて、「おかあさんといっしょ」からもう一人予想したい。
7代目歌のおにいさんの坂田おさむだ。
かつて、テレビ朝日のアニメ「夢のクレヨン王国」のアラエッサ役として声優を務めたこともあり、声優の実力も披露済み。少しハスキーがかった声が、ドラえもんっぽい気がする。
無論、本職は歌手だから歌が巧いのは当たり前だし、作詞家・作曲家としても素晴らしいキャリアがあるので、“ドラえもんが作ってドラえもんが唄うドラえもんの主題歌”という画期的な企画も考えられるではないか。
就任が決定した暁の新聞の見出しは「ちびっ子もビックリ! NHKの歌のお兄さんがドラえもんに変身!」といった感じだろうか。
と、3人の声優を候補にあげてみたが、どうせなら主演格全員予想してしまおう。
ドラえもん=坂田おさむ、のび太=山口勝平、スネ夫=中尾隆聖、ジャイアン=山寺宏一、しずか=小桜エツ子。
そしてジャイ子の青木和代は残留で、先代の雰囲気を新声優陣に伝える……でズバリどうだ。
声優マニアでもない一介の素人に当てられるはずもないが、ハズれるのを承知で予想してみた。もし一人でも当たっていたら拍手してやってください。【み】