この5日、東京ディズニーシーに突然矢沢永吉が現れ、ピノキオの主題歌「星に願いを」を歌ったらしい。
一見何の違和感もない、素敵なショーのように聞こえる。
しかし70〜80年代に青年期を過ごした身としてはちょっと異なる感覚をもつのだ。
いまでこそロックの大御所としてあらゆる層に受け入れられた矢沢だが、我々の青年時代に矢沢のファンといえばツッパリばかり。
学生の頃海で合宿をしたときなど、E.Yazawaのタオルを持った女子はすぐやらせてくれそうなのはよいのだが恐くて近づけなかった。そんなツッパリの親玉に歌わせちゃっていいのかディズニーという感想をどうも拭いきれないのだ。
しかしまて。ピノキオの話をよく振り返ってみよう。
ピノキオはゼペットじいさんの息子として溺愛されて育つが、悪友にそそのかされて学校にいかなくなり、刹那的な享楽を追い求める。魔法使いに何度罰をうけてもついずるずると快楽の道に走ってしまう。しかし最後には「いつまでもハンパやってらんないし」とばかり更生する。
これはまさに昔のツッパリ諸君の半生そのままではないか。きっとピノキオも「昔はやんちゃだった」の一言で人に迷惑をかけたことを自ら不問にしているに違いない。しかも子沢山のはずだ。
なるほど、こんなところにディズニーと矢沢の共通点はあったのだ。【吉】
目次