テレビをこじらせた東京福袋が書いたノンキなテレビコラム集。

君は悲しいこども番組「なんじゃもんじゃドン!」を知っているか

男の子

横浜の放送ライブラリーに行った。財団法人放送番組センターが運営する、放送番組を収集・保存して一般に公開する施設だ。8階の視聴ホールで過去のテレビ番組、ラジオ番組、CM、ニュース映画閲覧できる。
このたびそこで意外な拾い物をしたのでご紹介しよう。

それは日テレ系列で放映されていた「なんじゃもんじゃドン!」(1979.10.1〜1980.9.26)だ。一言でいうと、クオリティの低さがもの凄い。
出演者は「みいおばちゃん」こと、シャンソン歌手の中原美紗緒、そして若い「たかにいちゃん」と、より視聴者層に近い年齢の「ちいねえちゃん」。これに、正義の味方のもぐらの親方「ナンジャーマン」、敵役の「バイキンダー」が加わる。

まずはじめは遊びのコーナー。棒を2本立て鈴のついたゴムひもをわたし、鈴を鳴らさないように子どもたちがくぐるのだが、途中で棒が倒れてしまう。またみいおばちゃんとたかにいちゃんが、子どもたちをもう一度くぐらせるかどうかで相談しているのが丸見えだ。
棒の件にしろ時間配分にしろ、事前のリハーサル不足がひしひしと伝わってくる。
子どもたちが遊んでいる間、みいおばちゃんはしどころなく棒立ちの状態なのも気になる。幼稚園の先生が企画した行事をモニターで見せられているような侘びしさ。

また工作のコーナーはこうだ。たかにいちゃんが紙皿と袋をとりだす。
しかしたかにいちゃんは自分で工作をしない。「変身マシーン」に材料をぶちこみ、設計図を読み込ませるとあらふしぎ、完成品が飛び出してくるのだ。
これって工作じゃないじゃん!

そして完成品で遊ぼうとする子どもたちのところにバイキンダー登場。コーナーはなしくずしにナンジャーマンのコーナーに移行。
それにしてもバイキンダーの造形は凶悪だ。滑稽味をねらったきらいはあるが、マジで恐ろしい造形になってしまっている。バイキンダーとナンジャーマンのメリハリのない戦いが終わったところで最後に「フレンドシップ体操」だ。

全体的に細部までいろいろ決まらないうちに撮り始めてしまったような印象で、とにかく悲しく侘びしい気持ちになる珍品だ。これと比べるとNHK教育の子ども番組がいかに力を入れているかがわかる。

なお放送ライブラリーの視聴ホールにもいくつか問題点がある。

  • 閲覧できるプログラムは1度に1本。1度に何本も申請できないので、1本見終わったら次のプログラムを申請しなければならない。
  • 閲覧のシステムには早送りはあっても巻き戻しはない。シーンを見直すことはできない。
  • 2人で同時に見ることはできても、個室でないので見ながら何かを話し合うことはできない。

そして何より

  • まだプログラム数が少ない。

のが惜しまれる。収録されている番組も第1回か最終回が多い。
「バラエティ」で検索して151件しかヒットしないのはどうよ。

別途研究者室というのがあり、そちらの利用を申請すれば事情は違うのかもしれないが、基本的に調べものには向かない。研究者以外にとっては基本的にひまつぶし用の施設でしかない。
なお「なんじゃもんじゃドン!」の詳細をもっと知りたい方はシマヤンさんの「NHK FLASH」へ。【吉】