「坂東玉三郎 生々流転の人生スペシャル」(2月8日/BS-TBS)。
実は自分は剽軽者なのだと玉三郎丈。
「悲劇系、死ぬ系」ばかり演じてきたので、イメージを壊さないように剽軽な面が見せられなかったのだという。
確かにバラエティ番組でつまらぬトークに巻き込まれる玉三郎なんて見たくないし、舞台で演じる役のイメージを守るという心がけはさすがだ。この気遣いが彼の雲上人感を高めている気がするが、最近はちょくちょく地上に降りてきてバラエティタレント相手に楽しげにトークに興じていたりするのでそれはそれでよし。
人間国宝まで受けたのだから太鼓だのダンスだのにかまけてないで大事な歌舞伎に力を入れてよ!などと思っていたのだが、今日まで歌舞伎界および歌舞伎ファンは玉三郎丈からどれほどの恩恵を受けてきたか。
彼にとっての厄介が幾つか消えた今こそ好きな事をやらせてあげるべきだし、NHK協力の後進への芸談プロジェクトは立派な貢献。
とはいえ、今現在の美しさは只事ではない。ご本人は年齢を気にしているようだが、ふっくらと輝く美貌は花の盛り。退くには早すぎる。いろいろお忙しいとは思いますが、歌舞伎のほうもよろしくお願いしますよ大和屋さん。【み】