2023年11月のNHKホール公演「おかあさんといっしょファミリーコンサート23秋 星空コンサートであいましょう」(2023年12月31日/NHK Eテレ)のあらすじをざっくりまとめました。
スペシャルな声のゲストが登場するという情報をキャッチしているので期待に胸ふくらみます。
変なカラスに大混乱
オープニングは楽器を持ったファンターネの皆さんが登場。
そしてテーマソング「ファンターネ!」。NHKホールの客席の小さな皆さんのテンションがおおいに上がる。
「今日はボク達ザ・ミミコバンドで星空コンサートを開くんだ〜!」とルチータさん。
タンバリンがみもも、ドレミファ草とカラカラの木で作った木琴風の楽器はやころ、キーボードがルチータという珍しい構成のバンド。
「お兄さん、お姉さんも呼んでるんですが……」とやころさん。
遠くから「おーい!」という声が聞こえる。お兄さんお姉さん達はどうやら近くまで来ている様子。
そこで、客席に向かって「みんなで呼んでみよう! せ〜の!」と呼びかけるファンターネの皆さん。いつもと逆のパターンだね。
客席と一緒に「お兄さ〜ん! お姉さ〜ん!」と呼ぶと、「はーい!」。
1階席にゆういちろうお兄さんとまやお姉さん、2階席にあづきお姉さんとかずむお兄さん登場。
ここで2曲目、坂田おさむおにいさん作詞作曲の「ヤッホ・ホー」。
3曲目「はたらきものブギ」はステージにゆういちろうお兄さん&まやお姉さんとファンターネの皆さん。途中から1階席の通路を通ってあづきお姉さんとかずむお兄さんも合流。
突然、変なカラスが出てきてバンドの楽器を奪ったりカラスに驚いて楽器を倒して壊しちゃったりという一悶着あって、怪しげな沼にやってきたあづきお姉さん、かずむお兄さん、みももさん。
変なカラスが沼に大切なタンバリンを投げ込んでしまいショックなみももさん。
沼の中から懐かしい顔が登場
すると、「わしらの大事な沼に」「タンバリンを投げ込むのは」「だれさまじゃ〜」という謎の男女の声がする(「だれさまじゃ〜」はふたり一緒のセリフね)。
いや、「だれさま」はさすがに日本語的にどうなのよとは思うが、テケテンテンテンテンテンテンという聴いたことのある三味線の調べ。ははーん。あっ、「かっぱなにさまかっぱさま〜♪」というコーラスも聞こえてきたよ!
沼の中から河童人形がぞろぞろと登場。
ヒゲの生えた河童とまつ毛の長い可愛い河童も出てきたよ!
父ちゃん、母ちゃんと互いを呼び合うこの男女の河童は「かっぱさま」。
母ちゃんかっぱの「せ〜の!」で声を合わせて名乗るはずが、父ちゃんかっぱがタイミングを合わせず先に「かっぱ!」と言ってしまって母ちゃんかっぱに厳しく叱られるという件が繰り返されるオモシロシーンあり。
もちろん、この夫婦河童のかっぱさまの声を演じているのは、特別ゲストの杉田あきひろおにいさんとつのだりょうこおねえさん。声の出演って何だろう?と思っていたら、このナイスすぎるキャスティング! いいぞいいぞ!
「変なカラスが沼に放り込んだみももさんのタンバリンを返してほしい」とかっぱさまにお願いしたのだが、「カラスが謝りにくるまでタンバリンはお預けよ」とすげなく断られてしまう。がっかりする一同。
すると、父ちゃんかっぱさまがみももの頭にお皿がついていることに気がつく。
「ということは、私達と同じ、かっぱさま!?」。
なんだよ、かっぱさま、みももさんが河童だって今まで気がつかなかったの?
ていうか、私もみももさんが河童だったことを忘れていたけど。みももさんも河童仲間が出てきたのに無反応だったし。
「うん、あたし、河童だよ!」と無邪気に応えるみももさん。
「なんとまあ……」「全然わからんかったわい!」とかっぱさま夫婦。
「最近のかっぱさまはオシャレなのね」「ポップじゃのう」と感心しきり。
緑一色の平成のかっぱさま夫婦に比べると、パステルピンクとパステルグリーンで装った令和河童のみももさんはオシャレに見えるよね。
河童仲間のみももさんを見て、態度を和らげたかっぱさま夫婦。
「よし、わしらの質問に正直に答えることができたら、キミ達を信用しようじゃないか」とかっぱ父ちゃん。
「タンバリン返してくれるのー?」とみももさん。
「ええ、約束するわ」とかっぱ母ちゃん。
しりたがりやのけけちゃまの影響か、昨今のおかあさんといっしょワールドは「質問」が非常に大事なツールとなっている模様。
というわけで、ひとつめの質問。
「沼に落ちたのは、金のタンバリンと銀のタンバリン、どっちじゃったかな?」。
どこかの外国の沼の女神様みたいなことを問うかっぱ父ちゃん。
だが、そこに現れたのは金のタンバリンと銀のタンバリンではなく、金のドーナツと銀のドーナツ。
困惑する一同。
「みんな! あれ、ドーナツだよね?」とかずむお兄さん。
「沼に落ちたのって、ドーナツだったっけ?」とあづきお姉さん。
客席に問いかけるふたり。客席の皆さんはざわつき、手や首を振って否定する。
「そうだよね、違うよね。ドーナツだから、どっちも違うね!」とかずむお兄さん。
「でも〜、どっちも欲しい〜!」と、みももさんは欲深いことを言い出すが、あづきお姉さんとかずむお兄さんに「みもも!」と強くたしなめられ、「はい〜、どっちも違います!」と正直に答えたのだった。
それを聞いたかっぱさまは「正直でよろしい!」。
まずは第1問クリア。
続いてふたつめの質問。
「沼に落ちたのは、金のタンバリン、銀のタンバリン、どっちだったかしら?」。
あれれ、かっぱ母ちゃんも同じ質問なの?
今度は金のフラフープと銀のフラフープが現れた!
いや、金と銀にこだわりすぎだよかっぱさま!
「みんな〜! 沼に落ちたのはフラフープだっけ?」と客席に呼びかけるみももさん。
もちろん客席からは否定の声が轟く。
しかし、大方の予想通り、金のフラフープと銀のフラフープを見たあづきお姉さんとかずむお兄さんは「でも、でもでも……どっちも欲しい!」と身悶えするのだった。
このお姉さんとお兄さんはフラフープを使う新体操が特技だからね。
1問目とは逆にみももさんにたしなめられ、あづきお姉さんとかずむお兄さんは「はい……どっちも違います」としょんぼり答えるのだった。
それを聞いたかっぱ母ちゃんも「正直でよろしい!」と言ってくれた。
これで第2問もクリア。
「お兄さん達、これですっごいことができるんだよ〜!」とみももさん。
ここで、みももさんが唄う「おおきなわがあれば」に合わせ、あづきお姉さんとかずむお兄さんがフラフープ演技を披露。盛り上がる客席。感心するかっぱさま夫婦。
しかし、長いぞかっぱさまパート。
私はあきひろおにいさん&りょうこおねえさんとゆういちろうお兄さん&まやお姉さんの絡みが見たいのに〜!
さて、いよいよ最後の質問。
「沼に落ちたのは、金のタンバリンと銀のタンバリン、どっちじゃったかな?」。
最後の質問もやっぱり同じだった!
ついにタンバリン登場。金のタンバリンと銀のタンバリンだ。
だが、「みんな! みもものタンバリンってあんな色だったっけ?」と客席に問う冷静なかずむお兄さん。
もちろん、客席からは小さな皆さんの「ちがーう!」の声。
それを聞いたあづきお姉さんも「どっちも違うよね〜!」。
みももさんは「でも〜、どっちも欲しい〜!」とまたしても欲深いことを言い出すが、「でも、でも……どっちも違います!」と自らを律しきっぱりと正直に答えたのだった。
すると、「正直でよろしい! キミ達の話を信じよう! タンバリンを持っていきたまえ!」とかっぱ父ちゃん。
大事なタンバリンを取り戻して喜ぶみももさん。
さらに、かっぱ母ちゃんが「ステキなショーのお礼に、フラフープもプレゼントするわ」と太っ腹なことを言ってくれるのだった。
「それにしても、三人とも正直者で面白いかっぱさまね」とかっぱ母ちゃん。
どうも、かっぱさま夫婦はあづきお姉さんとかずむお兄さんも河童だと勘違いしている様子。
河童はみももだけだと訴えようとするのだが、かっぱさまは全然聞いてくれない。
「せっかくこうしてかっぱさまが集まったんじゃ。我らかっぱさまの歌を共に唄おうじゃないか!」とかっぱ父ちゃん。
よっ、待ってました!
大きな声では言えないが、ここはひとつみももさんは遠慮してほしいなあ。あきひろおにいさんとりょうこおねえさんの歌&あづきお姉さんとかずむお兄さんの踊りで見せてほしいんだけどなあ。
というわけで、ここで歌は「かっぱなにさまかっぱさま」。
私のささやかな祈りは通じず、唄うはかっぱ父ちゃん役のあきひろおにいさん、かっぱ母ちゃん役のりょうこおねえさん、みももさんの3人。もちろんあづきお姉さん&かずむお兄さんはダンスで大活躍。
かっぱさまの歌唱力に感心したみももさんは、かっぱさま夫婦をコンサートに誘う。
かっぱさま夫婦はもちろん快諾。後で向かうと言うかっぱさまに別れを告げ、一行は去っていくのだった。
嘆きのやころさん
場面変わって、こちらは、まやお姉さんとルチータさん&やころさん。
やころさんは、大切な楽器を壊してしまったのがショックで泣いている。
「わかった! 私のお気に入りの笛、やころにあげる!」とまやお姉さん。
「えっ?」と驚くやころさん。
「私、この笛が好きで、時間を見つけてこっそりひとりで吹いてるんだ」。
そして、まやお姉さんがポケットから取り出したのは、息を吹き込むとくるくると先端が飛び出してピーピー鳴るアレ! パーティグッズ用品売場で売っているピロピロ笛とか吹き戻し笛とか呼ばれるアレ!
まやお姉さんが吹く「ぴ〜〜〜」というマヌケな音にがっかりしてまた泣いてしまうやころさん。
「やころを元気にする方法、ないかなぁ……」と考え込むまやお姉さん。
何か良いアイデアがないかと考えながら、右の靴先を前に後ろに、左の靴先を前に後ろに……。
それを見ていたルチータさんは何かひらめいた様子。まやお姉さんにコショコショコショと耳打ちする。
すると、「それ、すっごくいい!」とまやお姉さん。
「やころが得意なこのダンスなら楽器がなくてもいい音が出せる」とルチータさんに言われ、真ん中に引っ張り出されたやころさん。ここで歌は「タップステップ」。
まやお姉さんの歌に合わせて、タップダンス風の踊りを披露する一同。
唄い終わるとやころさんはすっかり元気を取り戻した。
さらに、スーパーやコンビニで使うポリ袋を「シャカシャカすると面白い音が出るよ」とまやお姉さん。
入場時に観客に配られたプログラムの中にポリ袋が入っており、まやお姉さんは袋を「シャカシャカ」してみるよう客席に呼びかける。NHKホールに響き渡るシャカシャカ音。
「あっ、ほら、波の音みたいじゃない?」。
小さい波の音、大きい波の音、上手から下手へ音が流れるウェーブを会場の皆さんと一緒にポリ袋の「シャカシャカ」で奏でるまやお姉さん。
大事にしていた楽器は壊れてしまったけれど、やころさんは得意のタップダンスとポリ袋のシャカシャカ音でコンサートに出演することにめでたく決定。
元気を取り戻して笑顔になったやころが一番ステキ!…ということで、歌は「きみのえがお」。
トリの喧嘩
またまた場面変わって、「も〜! あのカラス、どこ行っちゃったんだろう?」と言いながら客席通路に登場したゆういちろうお兄さん。
「ずーっと探してるんだけど、全然見つからな〜い!」と通路を歩きながら嘆いている。
みももさんは体操チーム、やころさんとルチータさんはまやお姉さんと一緒だったから、今回のゆういちろうお兄さんはひとりぼっちなのだ。
魂の兄弟というかもうひとりの自分というか、木曜レギュラーのあのピンク色の両生類キャラが相棒として登場したらいいのにね。
客席通路を歩きながら「ねえ、みんな、さっきのカラス見てない〜?」と情報収集するゆういちろうお兄さん。
しかし、はかばかしい反応は得られず「見てない? みんな見てないか〜」とガッカリ。
日が暮れかかった空を見てしょんぼりと座り込むゆういちろうお兄さん。ここで歌は「だあれもいない海で」。
トリが2羽出てきて喧嘩を始める。
1羽はザ・ミミコバンドのリーダーのミミコ、もう1羽はさっきの変なカラスらしい。話をよく聞いてなかったので詳しいことはわからない。面目なし。
トリの喧嘩を必死に止めたり2羽の間を取り持ったり忙しいゆういちろうお兄さん。
あれこれあって、歌は「いっしょにつくったら」。
いやいやいや、あの大名曲「いっしょにつくったら」は歌のお兄さんとお姉さんのデュエットで聴きたいよねえ。歌のお兄さんとお姉さんを30分も離ればなれにしている謎の演出。人形劇より人間派の私には実に見づらい展開なのだった。
ついに星空コンサート開演
とか愚痴っているうちに、いつのまにかコンサート会場に全員集合していた。
いや、よかったよかった。
全員揃ったところで、歌は「きらきらきらりん・みゅーじかる」。
兄姉4人は軽やかに唄い踊りステージから去っていく。
続いて、あーぷんさんが登場し、歌は「あっぷあっぷ☆サンバ」。
ファンターネ一同がステージから去ると、入れ替わりに兄姉登場。
そして、かっぱさま夫婦もやってきた!
そして、歌はおにぎやかに「むしむしフェスティバル」。
続いてステージにはゆういちろうお兄さんとまやお姉さん。
歌は「いるよ」。
体操、そしてエンディング
次はあづきお姉さんとかずむお兄さんの体操「からだ☆ダンダン」のコーナー。
ファミリーコンサート恒例の体操のおにいさんのバク転はなし。体操姉兄による新体操の演技もなし。
体操の後半からはいつものように出演者全員が合流。だけどかっぱさま夫婦は不在で残念!
背景の「キャンドル岩」に満月が重なり、「キャンドル岩に火が灯った!」。
ということで、ここで会場の皆さんのポリ袋の出番だ!
先程練習したポリ袋をシャカシャカさせて上手から下手へ音が流れるウェーブから歌がスタート。
曲は「月夜のキャンドル」。
そして、エンディング「きんらきらぽん」。
これにて「おかあさんといっしょファミリーコンサート23秋 星空コンサートであいましょう」の放送はおしまい。
最後までかっぱさま夫婦は再登場しなかった。「きんらきらぽん」でお別れの挨拶をすると思ったのになあ。
ご覧の通り、人形劇中心のストーリーのファミリーコンサート。
人形劇が大好きな小さな皆さんは大喜びだったと思うが、お兄さんお姉さんだけを見ていたい私にはだいぶ物足りない60分だった。
もう6年も努めているゆういちろうお兄さんはそろそろ卒業してもおかしくないというこの貴重な時期に、まやお姉さんとのデュエットや兄姉勢揃いで唄い踊るナンバーのオンエアが著しく少なかったのは本当に残念。
でも、懐かしいかっぱさま達に再会できて楽しかったよ!
来年の春はお兄さんお姉さんいっぱい歌いっぱいのファミリーコンサートになりますように……。【み】
歌のお兄さん:花田ゆういちろう/歌のお姉さん:ながたまや/体操のお姉さん:秋元杏月/体操のお兄さん:佐久本和夢
人形操演:島木彩、Mizumi、藤田朋花
人形操作:川尻真美夏、高橋奈巳、友松正人、亀野直美、安藤麻衣
声の出演:平田真菜、折笠富美子、入江玲於奈 ほか
声のゲスト:杉田あきひろ、つのだりょうこ
「ファンターネ!」原案:松居大悟、目次立樹/キャラクターデザイン:大畠雅人
脚本:目次立樹
音楽:パラボラレル
美術デザイン:池田ともゆき
舞台演出:振付屋かぶきもん
ディレクター:大村比呂子
制作統括:古谷光昭、小宮忠幸
制作:NHKエデュケーショナル