2024年5月のNHKホール公演「おかあさんといっしょファミリーコンサート2025春 みちのみち」(2025年6月28日/NHK Eテレ)のあらすじをざっくりまとめました。
なお、私は今回が初見。「みちのみち」というサブタイトルからは、どんなストーリーのファミリーコンサートなのか見当がつきません。
ネタバレ食らうのが嫌なのでDVDの予告動画 や番組後に流れていた特番CMも見ないようにしていました。さあ、これから見るのが楽しみです!
もふもふニャンコ登場
幕が上がると、ステージに笑顔のゆういちろうお兄さん&まやお姉さんとファンターネの3人が登場しました。1階客席通路には杏月お姉さんと和夢お兄さん。客席からは大歓声が聞こえます。
1曲目は、2024年11月の月の歌「のりもののりたいな」。
中盤の「♫ふね」のところはみももさん、「♫ひこうき」はやころさん、「♫ベビーカー」はルチータさんが担当。
そして、2曲目は兄姉4人がもっふもふのネコちゃんに扮したインパクト抜群のクリップの2025年2月の月の歌「じゃれ愛あいあい」。
ステージ奥から紺色のスポーツウェアのような衣装のふたりのダンサーが参加。
客席通路では月の歌のクリップで兄姉が着用していたモフモフの衣装を着たダンサーが踊っています。NHKホールで見る彩度高めのもふもふニャンコ衣装はインパクト5割増!!
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そして、ステージに兄姉4人が揃うと、改めてごあいさつ。

花田ゆういちろうです。今日はみんなに会えるのを楽しみに来ました。いっぱい歌おうね〜!



ながたまやです。今日は一緒にたっくさん遊ぼう! よろしくね〜!



佐久本和夢です。元気いっぱい! 体を動かそうね〜!



秋元杏月です。あとで体操、元気にやりましょう〜!
花咲く丘へピクニックに行こう
「私たちこれからピクニックに行こうと思ってるんだ」とまやお姉さん。
「あの丘にあるお花畑に行くのはどう?」と遠くに見える山を指さす杏月お姉さん。
というわけで、お花畑へ張り切ってしゅっぱ〜つ! 歌はもちろん「ピクニックマーチ」。
歌いながら歩いていくと、道が3つに分かれています。
先程ステージで踊っていた紺色のダンサーズも再び登場。首から水筒を下げています。このふたりも一緒にお花畑に行くのかな?
「じゃあ、好きな道を選んで、丘の上でまた会おう!」と言うなり、走り去ってしまう和夢お兄さん。
和夢お兄さんせっかち過ぎ!杏月お姉さんと ルチータさんがあわてて追いかけていきました。
「あたしこっち! やころも一緒に行こう!」とみももさんはやころさんとチームを組んで2つ目の道へ、そして、ゆういちろうお兄さんとまやお姉さんコンビが3つ目の道を進むことになりました。
イヌとサルになつかれる
「えっ! わわわわわ! カッコいい葉っぱ!」
客席通路に登場した和夢お兄さんが持っているのは、どこかで見たことのあるような巨大な丸っこいカラフルなカメラ。



みんな見て見て! みんなも僕と一緒におもしろムービー撮ってみない?
やっぱりアレか! おなじみのあのカメラか!
「音楽に合わせて『もしもしカメラ』いってみよう!」というわけで、今日の4曲目は「もしもしカメラ」。会場のおともだちと一緒におもしろムービーにチャレンジです。
2番の「思いっきりジャンプをしてみよう」のところで和夢お兄さんが見せた開脚大ジャンプに会場が沸きます。
「うわっ、いいのいっぱい撮れたな〜」と撮影したムービーを確認してご満悦の和夢お兄さん。杏月お姉さんとルチータさんを呼び寄せてムービーを見せてあげました……と思ったら、杏月お姉さんとルチータさんじゃなくてイヌとサル(の着ぐるみのダンサーズ)が寄ってきちゃった! 2匹は興味深そうに和夢お兄さんのカメラを覗いています。“犬猿の仲”とも言われるイヌとサルが仲良く和夢お兄さんのカメラを覗くというレアシーン!
「ルチータ、なんか腕ふわふわになったね」と顔を見ずに左側にいるイヌの腕をさする和夢お兄さん。いや、そもそもルチータさんも獣毛の生えた毛皮系のキャラじゃないの?
続いて、右側のサルの肩を叩いて「杏月お姉さんなんかマッチョになってない?」と言って顔を見て「えええ〜!」とビックリ。
イヌとサルは「ワンワン」「ウッキ〜」と鳴きながら和夢お兄さんにじゃれついてきました。



イヌとサルって……僕、桃太郎じゃないんだけど。あっ、そっか! 僕、カメラに夢中でふたりのこと置いてきちゃったんだ。
三ツ辻で誰よりも早く決断して走っていった和夢お兄さん。追いかける杏月お姉さんとルチータさんははぐれてしまったようです。これは一大事! 急いで探さなくちゃ!



じゃあさ、せっかくだからこのカメラで記念撮影しようよ。
友人ふたりとはぐれてしまったピンチに、なぜか落ち着いてイヌサルと記念撮影しちゃう和夢お兄さん。
「サ・ク・モ・ト・ズーム!」という自分の名前を読み込んだ謎の掛け声でみんなでアクロバティックなポーズをキメます。
「ありがとう! またね〜!」と2匹を見送る和夢お兄さん。そして、「杏月お姉さん! ルチータ!」と叫びながらステージから去っていくのでした。
うーん、イヌサルを見送っちゃって良かったのかなあ。鼻が利くイヌと高い木に登れるサルは人探しにはピッタリの人材じゃなくて獣材だと思うんだけど……。
あまのじゃくが出た!
「和夢お兄さーん!」「どこに行ったんだろう」
杏月お姉さんとルチータさんが走ってきました。
すると、ヒュ〜ドロドロドロと歌舞伎の下座音楽でおなじみのオバケの音が!
ルチータさんは「ビブ!」「ビブビブビブビブ〜!」と様子がおかしくなります。心配する杏月お姉さん。
「僕ね、なんかこわ〜い予感がして、髪の毛がピーンって立っちゃった!」
ライオンに髪の毛が生えているかどうかはともかくとして、ルチータの頭のてっぺんにゲゲゲの鬼太郎の妖怪アンテナのようにとんがった毛が1本ピーンと立っています。仰天する杏月お姉さん。会場大爆笑。
どこかから「じゃくじゃくじゃ〜く あまのじゃ〜く」という怪しげな声が聞こえてきました。おびえるふたり。
そこへ、今日の5曲目「じゃくじゃくあまのじゃく」を歌いながら黄色いアフロヘアに1本角を生やしたつんつるてんの着物に虎の皮模様の帯を締めたまやお姉さんが登場! もしやアナタがアマノジャク!? いや、きっとアナタがアマノジャク!
腕をブンブン振り回して「じゃくじゃくあまのじゃく」の歌詞に合わせて大暴れするまやお姉さん可愛いぞ!
まやお姉さんに良く似た可愛らしいアマノジャクの登場に「あれ? 思ってたのと違ったね」と安心した杏月お姉さん。
杏月お姉さんとルチータさんはアマノジャクにまずは「こんにちは!」とごあいさつ。



私たち、これからピクニックに行きたくて、そこ通してくれないかな?



うん、いいよ。通してあ〜げる!
杏月お姉さんとルチータさんが進もうとすると、当然、あまのじゃくは通せんぼ。
そりゃそうだ。アマノジャクだもの。
「ええ〜!」とか「うわ〜!」とか言ってるけど、杏月お姉さんもルチータさんもさっきアマノジャクの歌、聞いたでしょ?



通してあげるって言ってるのにどうして通してくれないの?



へっへへ〜ん! だっておいら、アマノジャク、だも〜ん! どうしても通りたかったら、おいらのお願い、きいておくれよ!
アマノジャクのお願いというのは、高い木の上にアマノジャクの大事な巻物がぶら下がっているから取ってきてほしいというもの。ははーん、さっき、木登りが得意なキャラが出てきてたよ? あの動物に頼んでみてはどうかしら?
ルチータさんは「あんな高い木登れっこないよ」とぼやいているけれど、ライオンもネコ科だから登れるかもよ?
すると、木の陰から新体操の手具「クラブ」を取り出した杏月お姉さん。



私にまかせて!
両手に持ったクラブをクルクル回転させながら、側転したりY字バランスをしたり颯爽と踊ります。最後にクラブを木の上の巻物にぶつけて見事ゲット! もちろん落ちてくるクラブもちゃんとキャッチしましたよ! お見事! そしてサル残念。サル出番なかった。
杏月お姉さんはアマノジャクに巻物を渡すと「約束通り、そこ、通してくれる?」と聞きました。



いいよ。その前にその巻物を読んでみて。



えっ? 読むの? なになに……
杏月お姉さんとルチータさんが巻物を開いてみると、こう書いてありました。


「うそだよ〜ん」だって。杏月お姉さんとルチータさんは憤慨します。
でも、客席やテレビの前で見ていた人たちはだいたい感づいていたよね。だってアマノジャクだから。
「ひっかかったひっかかった」と大喜びのアマノジャク。
怒り心頭に発した杏月お姉さんは「じゃあ、どうしたら通してくれるの!?」とアマノジャクに詰め寄ります。



おいらに『ようかいしりとり』で勝ったら通してあげるぞ!
アマノジャクにとって「通してあげるぞ」は「通してあげないぞ」なわけで、ここはわざと負けるという展開が正解な気がしますが、今日の5曲目「ようかいしりとり」でいざ勝負です。
番組でオンエアされている歌のクリップではうっかり負けちゃう可愛い妖怪に扮しているまやお姉さんですが、さて、アマノジャク VS ルチータ杏月チーム、勝負はどうなる!?
なお、冒頭の「♫ようかいはかせのところに ろくろっくびがやってきた」の歌詞を「♫あづきルチータのところに アマノジャクがやってきた」と替えて歌っていました。
㋐アマノジャク→ ㋸くらげのひのたま→ ㋐まめだぬき→ ㋸きむないぬ→ ㋐ぬらりひょん
「『ぬ』といえばこの妖怪! ぬらりひょん!」と自信満々に即答したアマノジャクでしたが、もちろん最後に「ん」がついたので負けです。歌詞もオリジナルの「♫ろくろっくびは くやしそうに くびをびよーんと のばした」から「♫アマノジャクは くやしそうに 『え〜んえ〜ん!』となきだした」にチェンジ。
「泣いたって約束通り通してもらうからな! それだってどうせ嘘泣きだろ?」と、まるで悪役のようなセリフでアマノジャクをなじるルチータさん。



嘘泣きに決まってるだろ! しりとりもすっごく楽しくなかったし、おいらはな、お前たちと、ともだちになんかなりたくないんだ!
アマノジャクは吠えるように言うと、またわ〜んわ〜んと泣き出すのでした。



おいら、みんなと違って、思ってることとさかさまなことしたりしちゃうんだ。ホントは意地悪なんてしたくないのに……。
これを聞いて、杏月お姉さんとルチータさんはアマノジャクの特性を理解しました。杏月お姉さんは「話してくれてありがとう」とアマノジャクにやさしく話しかけるのでした。
でも、子どもライオンのルチータさんはともかく、オトナの杏月お姉さんは最初に「じゃくじゃくあまのじゃく」を聞いた時に気づいてほしかったよね。



確かに、アマノジャクさんはみんなとちょっと違うかもしれないけど、ここにいるみーんなもひとりひとり違うと思うよ。
ここで、今日の7曲目、子供の心の多様性に触れる名曲「ぼくときみ」をまやお姉さんとルチータさんが歌います(この曲はゆういちろうお兄さん&まやお姉さんで聞きたかった!)。
「アマノジャクさんもみんなと仲良くなれるよ!」と杏月お姉さん。「で〜も、意地悪は、もうごめんだからね〜」とチクリとひと刺しするルチータさん。



おねえさんたち、ありがとうございません!
アマノジャク流のお礼に笑って先に進もうとする杏月お姉さんとルチータさんに、アマノジャクが声をかけました。



ちょっと待って! はい、これ、あ〜げない!
巻物を渡されたルチータさんは「ま〜た、嘘って書いてあるんじゃないだろうな?」。今日のルチータさんは少々辛口です。



これは本物! 困った時に、きっと役に立たないよ!
「じゃあ、また会おうぜ!」「うん、また会わない日まで〜!」と別れの挨拶をかわして、杏月お姉さんとルチータさんは道を先に進むのでした。
道の駅
さて、こちらは、みももさんとやころさんチーム。
今日の8曲目「おさんぽマーチ」を歌いながら歩いています。
ふたりがいるのは、巨大なお箸とお蕎麦のオブジェ(?)がある場所。お蕎麦の隣にはソフトクリームっぽいオブジェとたこ焼きっぽいオブジェもあります。
物知りのやころさんは「道の駅みたいですね!」とみももに教えてあげます。
食べ物屋さん、薬草屋さんなど、いろいろなお店が並んでいます。
薬草屋さんの店頭に並ぶ珍しい薬草に興味を示すやころさん。
薬草に添えられた説明を読むと「どんな場所でも虹をかけられるニジサカ草」と書いてありました。
「すみませ〜ん、これくださ〜い」とすかさずお買い上げ決定。
ファンターネじまの通貨はこの町で使えるのでしょうか。というか、そもそもひょうたんの子どもはお金を持ってお出かけしているのでしょうか?
一方、みももさんはお蕎麦の絵が描かれているお店に注目。
やころさんが客席に向かって「皆さんはどんな麺が好きですか?」と問いかけると、口々に麺類の名前を叫ぶ小さなおともだちの声がNHKホールに響き渡りました。
やころさんが「ごめんください、めんください。」冒頭の「♫ごめんください、めんください。 うどんを1ぱいくださいな」のところを歌うと、奥から紺色ダンサーズのひとりが丼に入ったうどんを持ってきてくれました。
続いて、山高帽をかぶりメガネをかけ蝶ネクタイにインバネスコートを羽織ったゆういちろうお兄さんが、アイスクリームを持って踊る2人の紺色ダンサーズを従えて登場! 今日の9曲目「アイスクリームのうた」を歌います。
ゆういちろうお兄さんの名探偵みたいなスタイルに期待が高まります。
一体何者? 謎を解く系の人? いやクイズを出す系の人かも? でも、ただの探偵コスプレのアイスクリーム屋さんかも。
「おじさん、お歌じょうずだね〜」とみももさん。



いやいや、いやいや。歌もアイスクリームも大好きすぎなもので。おっ、ありがとう。そうそう、星の観察も大好きすぎなもので。
ヘンテコな謙遜をするおじさんは、紺色ダンサーズのひとりが持ってきた望遠鏡を受け取ります。
歌とアイスと星の観察が好きなこの人は一体何者ですか?
「それは、おじさんの望遠鏡ですか?」
早速、望遠鏡に食いつくやころさん。「見たい! 見たい!」とみももさんも大興奮。



どっどど どどうど どどうど どうぞ。
とまどうみももさんとやころさん。
さてはおじさん、宮沢賢治も大好きすぎですね?



気にしないでください。口癖なもので。
そんなこと言われても気になっちゃうよ〜!
おじさんの望遠鏡は不思議な望遠鏡で、お昼でも星が見えるのだといいます。
おじさんは空に向けた望遠鏡を覗きます。おじさんのうしろでみももさんとやころさんも空を見上げます。
キラキラした音楽が流れ、会場が暗くなります。
ステージと客席通路には、光るボールを携えた電飾を散りばめた衣装のお星さまダンサーズが登場。
「星が見えます!」とやころさん。「美しいですねえ」とおじさん。
ゆったりと動くお星さまダンサーズ。
「動いてる!」「星って動くんですか?」とみももさんとやころさんはビックリ。
お星さまダンサーズはおじさんとみももさん&やころさんを囲んでぐるぐる回り始めます。



そうなのです。遠く離れた私たちからは星は止まって見えますが、実は動いているのです。しかもものすご〜い速さで!
それはともかく、昼でも星が見える機能よりも、望遠鏡を覗いていないみももさんとやころさんも星が見えたのが不思議ですよおじさん!
「星も宇宙を旅してるんですねえ」と詩的な表現で感心するやころさん。
「宇宙のような道なんてなさそうなところにも道はある」とおじさん。今回のテーマの「みちのみち」に繋がりました。「ももも〜! ふっしぎ〜!」とみももさんが言ったところで、今日の10曲目「ふしぎはすてき」。ゆういちろうお兄さんはおじさんのキャラのまま歌っていますよ。
歌が終わると汽笛が鳴りました。
「あっ、汽車だ!」とみももさん。
ここは道の駅でしたよね? 道の駅というのは「道路利用者の休憩施設であるとともに、利用者と地域のふれあいの場 “地域の顔”となる施設」(「国土交通省近畿地方整備局」より)なわけで、汽車が来るはずがないのですが……。
「この道の駅には汽車も止まるんですね」とやころさん。
さすがわかっていらっしゃる。私のモヤモヤをあっという間に解決してくれました。
人形劇のキャラが「汽車も止まるんですね」と言うなら止まるんです。不思議な望遠鏡を直接覗かなくても星は見えるんです。ごめんよみんな。私の了見が狭かったよ。



ええ、あの汽車に乗って星の観察に行くのです。
ああ、おじさん。あなたはやっぱり宮沢賢治が大好きすぎる系の人でしたね。
おじさんが汽車に乗ると聞いてうらやましがるみももさん。
「あたしたちも汽車で丘まで行こう! 絶対らくちんだよ!」
みももさんは今日の目標をちゃんと覚えていました。ものすごく不思議な体験をした後なのに偉いぞみももさん!



丘だったら、隣の駅からすぐですよ。
大喜びするみももさん。
しかし、やころさんは「いいえ、やころは歩きます。やころはここまで歩いてきて、いろんな人や物と出会うことができました。お店でニジサカ草を見つけたり、おじさんに動く星を見せてもらったり。だから、やころはこのまま歩いていこうと思います」ときっぱりと言うのでした。
それを聞いて、みももさんも「そっか〜。乗り物でビュ〜ンだったら、会えなかったかも」と納得。



くぅ〜! 素晴らしい考えをお持ちですね。そういう人に私もなりたい。これからも、自分が信じた道をせいせいどっどど どどうど どどうど……失礼失礼、正々堂々と!
おっと、おじさんがまた宮沢賢治をぶっこんできましたよ。ふたつも!
ここで今日の11曲目、坂田おさむおにいさん作詞作曲の「せいせいどうどう!!」(「BSおかあさんといっしょ」の曲だと思います)。
「では皆さん、さようなら〜!」とおじさんは空飛ぶ汽車で去っていきました。
それをうっとりと見送るみももさんとやころさん。「夢のなか」のインストバージョンが流れています。
あ、そうそう、道の駅のお店に「□□焼き」と書いた看板が掲げられていたのですが、いつの間にか「たこ焼き」という看板になっていましたよ。ポニーキャニオンのサイトにある収録曲リストを見たところ、「おさんぽマーチ」と「アイスクリームのうた」の間に「たこやきなんぼマンボ」がはさまっていました。このくだりが見たかったら円盤買いましょうということですね。
かずむ桃太郎見参!
続いてステージに現れたのは、和夢お兄さん扮する桃太郎!



よ〜し! 今日こそ、おばあさんの言う通りにうまくやるぞ〜。う〜ん……。
勇ましいいでたちの桃太郎ですが、何だか弱々しい声。



僕の、家来に、なれ!……よし、いい感じ。
えいっと前を指差して家来になれ? えっ、イヌサルキジのスカウトの練習?
そこへ、コンサートの前半で和夢お兄さんが「もしもしカメラ」でムービーを撮影していた時に出会ったイヌとサルが再び登場。
かずむ桃太郎は「あっ、来た!」となぜか緊張しています。
イヌとサルはブレイクダンスなんか踊ってご機嫌の様子ですが、かずむ桃太郎は「えっ、でも、どうしよう」とうろたえています。大きく深呼吸、そしてオデコの前で手を桃の形にして「ピ〜チ」と唱えました。気持ちを落ち着ける呪文なのかな?
しかし、そんなかずむ桃太郎を尻目に、イヌとサルは去っていってしまいました。
去っていく2匹に向かって弱気な声をかけるかずむ桃太郎。



ちょちょ、ちょっと! キミたち! 僕の、家来に、なれ……。ああ、また失敗だ。こんなんでへこたれてたら、おばあさんがガッカリするなあ。
悩むかずむ桃太郎。「シュシュシュシュ!」とカッコよく登場できたらいいのに、とヒーローのようなポーズをキメますが、すぐにまたおどおどと弱気になってしまうのでした。
しかも、大切なきびだんごを出すのを忘れていたことに気づきます。
そこへ、ゆういちろうお兄さんとまやお姉さんがやってきました。



見て! ちょんまげの人がいるよ!



ちょんまげ?
ここで、今日の12曲目「ちょんまげマーチ」。
ゆういちろうお兄さんとまやお姉さんはこの歌恒例のコミカルな動きをしていましたが、かずむ桃太郎は刀をバトンのように操りクルクル回転させたり高く放り投げたり新体操のような振付でいきいきと華麗に舞い踊ります! 史上最高にカッコいい「ちょんまげマーチ」でした。
かずむ桃太郎のキレッキレのダンスを見て、「とってもカッコよかったです〜」と話しかけるゆういちろうお兄さん。「ホントですか?」と自信なさげなかずむ桃太郎に、まやお姉さんは「はい、素敵でした!」と応えます。



ありがとうございます! あっ、じゃあ、ちょっと待っててくださいね。やっと渡せる〜。よし。これ、どうぞ!



なにこれ?



日本一のきびだんごです。
あれれ、イヌサルキジじゃなくて歌のおにいさんとおねえさんにきびだんごあげちゃった!
「どうしてこれを僕らに?」と、とまどうゆういちろうお兄さんとまやお姉さん。
しかし、かずむ桃太郎はゆういちろうお兄さんの質問をスルーして例のセリフを言うのでした。



それでは、まいります! 僕の、家来に……なれ! あっ、やった! 言えた〜! よしっ! じゃあ、鬼退治に行きましょっか。
まるで近所のコンビニに行くような軽い調子で鬼ヶ島に誘うかずむ桃太郎に「いやいやいや」と、あわててツッコむゆういちろうお兄さんとまやお姉さん。



いやちょっと待って! なんか変なとこありすぎ。ひとつずつ聞いていい? まず、君は?



僕は、桃太郎です!



って、ことは、鬼退治に行くの?



はい! 僕のおばあさんが……
と、ここで2階のバルコニーから予想通りのアノ人が登場だ!



いいかい、桃太郎。今からお前は鬼退治に行ってきなさい!
「って、言ったので」とかずむ桃太郎。
ありゃ、杏月お姉さんのおばあさんはコレだけ?



じゃあ、家来っていうのは?



それも、おばあさんが!
杏月おばあさん、再び登場!



連れていきたい相手を見つけたら、きびだんごを渡してこう言うんじゃ。家来になれ〜!
NHKホールにエコー付きで響き渡るおばあさんの声。怖いわ〜。
かずむ桃太郎が持っている「日本一」と書かれた旗も、おばあさんが「お前は日本一になるんじゃ。2や3じゃダメ」と言ったから。



いや〜、何だかものすっごいおばあさんだね。



はい! 僕のおばあさんはすごいんです! でも、それに比べて僕はなかなか家来もできなくて……。
「どよ〜ん」と言って、どんよりしちゃうかずむ桃太郎。
「元気出して」と励ますまやお姉さん。ゆういちろうお兄さんは「ちょっと僕たちと一緒に考えてみよっか」と提案します。
まずは家来について。いきなり「家来になれ!」と言われたら答えづらい。
まやお姉さんが「みんなはどう思う〜?」と客席のおともだちに問いかけるのですが、いや、これはこれでだいぶ答えづらい質問だと思います。
そこは頓着せず「家来って言われてもねえ」と話を進めるゆういちろうお兄さん。



えっ、家来ってイヤなの?



それならさあ、“家来”じゃなくて“ともだち”を集めるのはどうかな?
ここで13曲目「まほうのくつ」。
桃太郎が履いているのは靴ではなく草履か草鞋だと思うのでこの歌が彼の心に響くか心配……と思っていたら、「♫まほうのくつをはいて」の歌詞のところで、かずむ桃太郎がゆういちろうお兄さんとまやお姉さんの足元をしげしげと見つめていたので一安心。そのあたりのギモンは織り込み済みなんですね。
ゆういちろうお兄さんとまやお姉さんが歌っていると、さっきかずむ桃太郎が呼び止めてもさっさと行ってしまったイヌとサルが浮かれて出てきました。
かずむ桃太郎は、最初はおずおずと、そしてだんだん元気にイヌサルと一緒に踊りだします。和夢お兄さんのキレッキレのダンスが冴え渡ります。
そして、歌が終わった時には、かずむ桃太郎はイヌサルとすっかりなかよしになっていたのでした。
「ともだちか〜」と感無量のかずむ桃太郎。
「それに鬼退治もさ、やっつけるんじゃなくて、何か他の方法があるような……」とゆういちろうお兄さんの顔を伺うまやお姉さん。



お? お……おしくらまんじゅうとか!
ちょっと迷いましたが、「おしくらまんじゅう」というワードを絞り出したゆういちろうお兄さん。桃太郎×鬼退治といえば、14曲目はもちろん「くだものたろう」。
ともだちになったイヌサルも参加しますよ。さらにサクランボ、イチゴ、バナナ、ナシ、リンゴ、ブドウ、パイナップルを頭にかぶった紺色ダンサーズも登場してステージはにぎやかです。
「うわ〜、楽しい!」とみんなと一緒に踊ったかずむ桃太郎は大喜び。



桃太郎さん、もちろんおばあさんが決めたことも大事だけど、自分で決めることも同じくらい大事なんじゃない?



でも、僕……



もう、自分で決めていいんだって。
ゆういちろうお兄さんとまやお姉さんに応援されて、かずむ桃太郎は「わかりました! やってみます!」と決意します。



自分の道は自分で作ります!
ここで、桃太郎編も今回のテーマ「みちのみち」に繋がりました。
あの怖〜いおばあさん相手に自己主張するのはさぞ勇気がいるだろうけど、いざとなったらみんなで鬼ヶ島へ逃げちゃえばいいと思うよ!
ここで今日15曲目の「きみイロ」。
ゆういちろうお兄さん&まやお姉さんとイヌサルを従えて、1番は和夢お兄さんが堂々のセンターで踊っています。フォーメーションが変わって2番はサルがセンターだったけど!
そして3番はゆういちろうお兄さん&まやお姉さんがステージに残ってふたりで歌いました。
自分の道は自分で作る
場面変わって、今日16曲目の「だんだんだんだん」を歌いながら薄暗い場所を歩いているみももさんとやころさん。なんだ、まだ丘に着いていなかったんですね。
「みもも!」「やころ!」
ゆういちろうお兄さんとまやお姉さんがやってきました。
あっ、この薄暗い場所が丘だったのか! 山登りしているうちに日が暮れちゃったのかしら。
みももさんとやころさんは一番乗りで到着していたんですね。てっきり道に迷って魔法の森的なところをおそるおそる歩いているのだと勘違いしてました。みももさん&やころさんごめん。
みもも&やころチームと歌の兄姉チームが合流すると、ステージがパッと明るくなりました。



丘が見えてきたよ!



あともうちょっとだね!
ここが丘じゃなかったんかーい!
またしても勘違いです。早とちり恥ずかしい。
ステージが薄暗かったのは歩き疲れたみももさん&やころさんの心象風景を表現していたのかも。
「♫だんだんだんだん だんだんだんだん やってくる だんだんだんだん だんだんだんだん ふえてくる」ということで、杏月お姉さん、和夢お兄さん、ルチータさんも合流しました。これで全員集合です。
杏月お姉さんはアマノジャクに貰った巻物を持っていますよ。



待って! 道がなくなってる。



ホントだ!



そんな……せっかくここまで来たのに……。
困り果てる一同。



僕たち、さっき桃太郎さんに出会って、とってもいいことを聞いたんだ! ねっ、まやお姉さん!



えっ、言ってた?
私も同じことを思ったよ! えっ、言ってた? 何だっけ?



言ってたじゃん、ほら〜。



そうだ! 日本一!



いやいやいや、違うでしょ。
おもしろムービー編、アマノジャク編、好きすぎるおじさん編、桃太郎編と続けてようやく丘が見えてきたファミリーコンサート2025年春。ここに至ってまだ兄姉にボケツッコミの応酬をさせるか!
いや、これ楽しいからもっとやって〜!
「『自分の道は自分で作ります!』でしょ」とゆういちろうお兄さん。
「そうだった!」とかずむ桃太郎の言葉を思い出すまやお姉さん。
みももさんも思い出しました。
「あたしたちが会ったおじさんも、『道なんてなさそうなところにも道はあるんだよ』って言ってたよ」



つまり、道がなかったら自分たちで作ればいいってことか!……えっ、でもどうやって?
すごく重要でいいこと言った感じの和夢お兄さんでしたが、道の作り方はわからない!



あっ、そういえばこれ! 『困った時にきっと役に立つ』って言ってたの〜!
と叫んで、巻物を高く掲げた杏月お姉さん。そうそう、それそれ。それですよ。巻物!
杏月お姉さんはルチータさんと協力して、巻物をくるくると広げます。


アマノジャクがくれた巻物には「けるあ」という三文字が書かれていました。



って、何?



えっ、『けるあ』? 何だろう?
「杏月お姉さん、アマノジャクだから、さかさまから読めばいいんじゃないのかな?」とルチータさん。
「ということは、こっちから……『あ』『る』『け』! 歩け!」と杏月お姉さん。
それを聞いて和夢お兄さんは「じゃ、みんなで歩いてみようよ」と提案するのですが、道がなくなっているのにどこを歩くの?



会場のみんなも一緒に手伝ってくれる?



僕たちと一緒にこうやって足踏みをして道を作ってほしいんだ。



さあ、みんな、準備はいい? ♫ダン ダン ダンダンダン だよ! いくよ〜!
ファミリーコンサート恒例の困った時の客席頼み。
おともだちの皆さん、「♫ダン ダン ダンダンダン」のリズムで足踏みをして新しい道を作るのを手伝ってあげて〜!
さあ、客席の皆さんのパワーのおかげで、道ができてきましたよ。
ここで今日の17曲目、2025年1月の月の歌「みちのマーチ」。
おにいさん&おねえさんと紺色ダンサーズが客席通路に降り、「♫ダン ダン ダンダンダン」の手拍子で歌います。
「みちのマーチ」を歌い終わると、ステージに新しい道ができていました。
今日の目的地、花咲く丘に到着です!
ここでもう1曲。今日の18曲目「ぴかぴかマーチ」。
1番をファンターネの皆さんが歌い、3人がステージから去るとゆういちろうお兄さん&まやお姉さんが2番を歌いました。歌の終盤で杏月お姉さんと和夢お兄さんがステージに合流。
「♫とおくへゆこうよ あたらしいみちを」という今回のコンサートにピッタリの歌詞がある曲です。
体操、ニジサカ草、そしてエンディング



ピクニックに来たことだし、今度は思いっきり体を動かそうよ!



いいね! それじゃあみんなで体操しよう!
ファミリーコンサートではメインのお話と体操は別のコーナーとして扱うことが多いのですが、今回はストーリーの中に体操が組み込まれていて新鮮です。
「からだ☆ダンダン」はステージ上で杏月お姉さん&和夢お兄さんふたりで体操するバージョン。“ゆうまやのびゅん風合流”はなし。
体操のあとは、紺色ダンサーズを従えたファンターネの3人が今日の19曲目「どれみファンターネ!」を歌います。
歌の後半から、ゆういちろうお兄さん、まやお姉さん、杏月お姉さん、和夢お兄さんも合流しました。
全員勢揃いしたところで、やころさんがカパンから袋を取り出しました。
「そういえば、これを道の駅で買ったんです。早速みんなでまいてみましょう」
やころさんは薬草の袋を開けて、みももさんとルチータさんのてのひらにタネを配ります。
みももさんとルチータさんは兄姉にタネをお裾分け。
やころさんの「いきますよ〜」の合図でみんなでタネをまくと、ホリゾントに虹が、じゃなかった、花咲く丘の空に大きな虹が出ました。美しい虹に一同大喜び。
ここで今日の20曲目、坂田おさむおにいさん作詞作曲の「きっとキセキ」。



僕たち3つの道でたっくさんの人に出会ったね。



とっても楽しかったね。会場のみんなは楽しかったですか〜?
もちろんNHKホールは「は〜い!」の声で埋め尽くされます。
テレビの前の私も「は〜い!」。楽しかったよ〜!



でも、そろそろお別れの時間が来てしまいました。



それじゃ、最後はみんなで、きんらきら……
「ぽん!」とみんなで声を合わせて、エンディングです。
間奏で出演者たちが一言ずつあいさつをして、「さあ、みんなで『おーい』だよ! せーの!」のコールはゆういちろうお兄さん。
今回はおにいさん&おねえさんの出番が多くて、兄姉派の私にとって実に楽しい1時間でした。
歌だけでなくコント風の軽妙な演技でコンサートをしっかり支え、ストーリーをぐいぐい牽引するゆういちろうお兄さんの安定感!(ただ、昨年秋の「うたの図書館」に比べるとゆういちろうお兄さんの喉の調子が今ひとつかなとちょっと心配になりました)
しかし、何といってもアマノジャクのまやお姉さんと桃太郎の和夢お兄さんのお芝居が巧かった!
特に和夢お兄さんの全身からほとばしる愛嬌! 冴えわたるダンス! くるくる変わるキュートな表情が素晴らしすぎました。
番組登場の日から見ているふたりが、ああ、こんなに立派になって…と母のような心持ちで胸が熱くなり、思わずほろり。
兄姉たちが扮した個性的で魅力的なキャラクターが主人公になるパートはいずれも充実していたし、体操もファンターネの歌もエンディングも「みちのみち」のストーリーの中で展開させた構成が新鮮でした。
2024秋、2025春と2作連続で大傑作だった「おかあさんといっしょファミリーコンサート」。同じキャストと同じスタッフで作る今年秋のファミリーコンサートも期待大です。
ああ、あんまり楽しかったので、ついつい長く書きすぎちゃった!
ここまで読んでくださった皆様、本当にありがとうございました。これにこりずにまた遊びにきてくださいね。【み】
付録:好きすぎるおじさんの宮沢賢治元ネタ(?)リスト
たぶんコレが元ネタだろうと思う作品を3つピックアップしてみました。
「青空文庫」ですのでリンク先は無料で読むことができます。
- 『風の又三郎』青空文庫(「どっどど どどうど どどうど どどう」)
- 『銀河鉄道の夜』青空文庫(銀河鉄道で星空を旅するお話)
- 『雨ニモマケズ』青空文庫(「サウイフモノニ ワタシハナリタイ」→「そういう人に私はなりたい」)
キャスト&スタッフ
出演:花田ゆういちろう、ながたまや、秋元杏月、佐久本和夢
人形操演:島木彩、Mizumi、藤田朋花
ダンサー:上原史温、鴨志田萌、黒澤諒、Chion、古山栞帆、Protecter
声の出演:平田真菜、折笠富美子、入江玲於奈
「ファンターネ!」
原案:松居大悟、目次立樹
キャラクターデザイン:大畠雅人
脚本:目次立樹
音楽:ベアグラウンド
美術デザイン:大田創
舞台演出:振付屋かぶきもん
ディレクター:野口祐
制作統括:古屋光昭、高橋英里
制作:NHKエデュケーショナル