このブログでは、主に昭和期に製作された英映画社 (1927-2009) の作品およびチラシの画像を紹介しています。古い資料が多く文字がつぶれて読みにくい箇所があるため、文字起こししたテキストを添えています。
なお、当時と現在では考え方やさまざまな環境が違うこともあり、今見ると非常識に思える部分がありますが、歴史的な資料として、誤字や旧仮名遣い等も含めできるだけそのままの形で掲載しておりますことをあらかじめご了解ください。また、掲載されている住所や連絡先は当時のものですのでご注意ください。
データ
「くらしと損害保険 —その仕組と役割—」
1985(昭和60)年
企画:日本損害保険協会
製作:株式会社 英映画社
カラー22分
キャスト | 岩本多代、庄司永建 |
製作 | 服部悌三郎、長井貢 |
脚本・演出 | 星山圭 |
撮影 | 小林治、角田憲一 |
照明 | 前田基男 |
同時録音 | 加藤一郎 |
音楽 | 真鍋理一郎 |
効果 | 小森護雄 |
解説 | 岩本多代 |
メイク | 関口絢子 |
製作担当 | 内海穂高 |
録音 | 録音処 |
現像 | 東洋現像所 |
チラシ
チラシのテキスト(文字起こし)
あらすじ
現代は危険が一杯です。お盆で賑わう静岡駅前の地下街で突然ガス爆発が起き、15人が死亡、222人が負傷するという悲惨な事故がありました。このような事故がいつまた起きても不思議ではないのです。
こうした事故や災害に備えて、万一不幸にあったときの立直り資金を補填するのが損害保険です。
損害保険といえば、火災保険や船舶保険というのは昔のことで、今は危険の多い時代の要請にこたえて自動車保険、火災保険、傷害保険や賠償責任保険など実に様々の保険商品があります。
災害に備えて、自分でコツコツ預金する方法もありますが、災害はお金が十分たまるまで待ってはくれません。損害保険ならわずかな負担で大きな安心を手にすることができます。
なぜ大きな安心を手に入れられるのか、それは沢山の加入者によって危険を分担するからです。そのために加入者を沢山集めることも必要なのです。
損害保険会社は、事故が起きた時、その損害を公正に調べ保険金を早く支払うことが求められています。
私たちの暮らしは損害保険なしには成り立たなくなっています。事故や災害などない方がいい、しかし万一に備え、生活の知恵として損害保険を考えようではありませんか。
学習ポイント
損害保険は日常生活にかかせないシステムです。特に大切な点をしっかりとつかんで下さい。
- 多種多様な保険商品
“危険のあるところに保険あり”というように危険の多い現代文明にあわせて100種類以上の保険が用意されています。つり保険とかゴルファー保険まであります。 - 小さな負担で大きな安心
なぜ小さな負担で大きな安心が買えるのか、それは個人とか会社では負担しきれない大きな損害(危険)を大勢の加入者が負担して軽くするからです。
加入者が多くなればそれだけ個人の負担は少なくなりますが、こうした保険料の計算には事故や災害がどの位の割合で発生するかという確率の問題があります。この基礎になるのが大数の法則なのです。 - 損害保険の原則
損害のてん補、事故の偶然性、多数の経済単位(加入者)、損害が金銭に見積もりうることなど損害保険には多くの原則が合って制度としての成立の基礎になっています。 - 代理店の役割と損害保険会社
損害保険は代理店が大きな役割を持っているのが特徴です。お客さんのところにうかがって直接保険の勧誘をし、保険会社に代わって保険契約を締結するのは代理店なのです。
損害保険会社は、代理店の教育、指導や、事故発生時の対応など全体の責任を負っています。 - 私たちの暮らしと損害保険
万一、ジャンボジェット機が墜落すると機体や500人もの人命の補償で何百億円とか時には何千億円ものお金が必要になります。原子力発電所、製油所や他の工場などの場合も同様です。事故が起きたら損害の補償だけで会社が倒産してしまいます。
もし損害保険がなかったら、ジェット機は飛べないし、工場も操業できないといわれるのはそのためです。
個人の場合も損害保険がなかったら火災や自動車事故の補償で一生を棒にふるような例が沢山でる恐れがあるのです。