このブログでは、主に昭和期に製作された英映画社 (1927-2009) の作品およびチラシの画像を紹介しています。古い資料が多く文字がつぶれて読みにくい箇所があるため、文字起こししたテキストを添えています。
なお、当時と現在では考え方やさまざまな環境が違うこともあり、今見ると非常識に思える部分がありますが、歴史的な資料として、誤字や旧仮名遣い等も含めできるだけそのままの形で掲載しておりますことをあらかじめご了解ください。また、掲載されている住所や連絡先は当時のものですのでご注意ください。
データ
「紙はよみがえる」
1984(昭和59)年
企画:財団法人古紙再生促進センター
製作:株式会社 英映画社
カラー20分
チラシ
チラシのテキスト(文字起こし)
製作意図
“古紙は町の森林資源”と言われるように、一度使われた紙、古紙の再生利用は私たち国民の一人一人が考えなければならない重要な今日的な課題です。
この映画は、古紙から新しい紙へ、その製紙工程をつぶさに見て、古紙は再生されるのだということを実感して頂き、古紙回収がいかに大切かを考えるものです。
内容
人間社会が進歩し、文化が向上するにつれて紙の需要は伸び続け、作られる紙の量も増大する一方です。今日わが国では一年におよそ1,900万トンの紙が高度な製紙技術によって作られ、世界第二位の紙の生産国になっています。
紙は文化のバロメーターと言われますが紙は私たちの生活のすみずみまでゆきわたり、あって当然という時代になっています。そのため今日では紙を大切にする考えなど殆んどないのが実状です。
製紙の原料はパルプ材で20年前までは自給自足してきました。しかし今やアメリカ・カナダからの輸入が多く、それも製紙原料に占めるパルプ材の半分をやや上回る程度となっています。つまり日常私たちが使っている紙の原料はパルプ材だけでないと言うこと、もう一つの原料によって紙の生産は支えられているのです。一度使われた紙、古紙が重要な原料なのです。
「今日は✕✕小学校の有価物回収の日です。ご協力をお願いします。」このように地域の集団回収によって集められた古紙は、古紙問屋に入ります。作る紙の種類によって使われる古紙も違い、段ボールには段ボール古紙、ボール紙には雑誌など、新聞紙には新聞古紙やチラシなどが主に使われます。用途によって選別された古紙はそれぞれの製紙工場に運ばれます。では古紙がどのようにして新しい紙に再生されるか、新聞用紙の誕生を見てみます。巨大なハイドロパルパーで古紙をドロドロにかくはんします、繊維状になった古紙は反応塔に送られ漂白剤など入れインキに反応させ繊維とインキの分離を進め、フローテーターによって完全にインキ抜きされ木材パルプを一定の割合でまぜ合わせ抄紙機にかけ再び新しい紙となって巻きとられます。
古紙を使って作られた製品には、絵本、ノート、段ボール、新聞、箱類、チリ紙、ボール紙、紙筒など私たちの生活に豊かさをもたらします。
きってもきれない紙と人間の暮らし、一度使った紙を、ゴミにするか、資源として再利用するか、それは私たち一人一人の心にかかっているのです。