今井まねっこ御免?

7月に「ぬいぐるみゲートの復活を!」で、エンディングでいつのまにか“今井ゆうぞうゲートくぐり御免”になっていたと書いたが、今度は“今井ゆうぞうまねっこ御免”疑惑だ。
「まねっこ」というのは、生意気な落花生人形の指令に従ってあれこれポーズをキメるコーナー「まねっこピーナッツ!」のことね。

10月25日は、落花生から「腹這いになってさらに腕立て伏せ」という指令がくだされた。
逞しい筋肉を駆使して軽々と腕立て伏せをする体操のおにいさん・小林よしひさと「ズーズーダンス」のおねえさん・いとうまゆに対し、へなへなと腕が震える程度の歌のおねえさん・はいだしょうこ。
すかさず落花生から「しょうこおねえさん、全然できてないな」という声が飛ぶ。我らがしょうこおねえさんになんという暴言を吐いてくれるのだ。植物の癖に。
そして、マメ科の一年草の種子に乱暴な口調でダメ出しをされるという不幸にはいだが襲われているその傍らで、歌のおにいさん・今井ゆうぞうは腕立ての姿勢のまま微動だにしていなかったのである。

二日後の10月27日。落花生からの指令はV字バランスである。
豊かな腹筋を見せびらかすようにV字バランスをキメる小林といとう。はいだも曖昧ながらもV字風のポーズで今回は無事に指令をクリアだ。もうタネに文句は言わせないぜ。
しかし、どういうわけか、今井はこの日もまねっこを放棄。床に尻もつけず、腰をかがめ両手を下に向けて拡げるという妙なポーズでその場をしのいだのだった。これは一体なんのポーズなんだ、今井。
そして、この日も今井へのお咎めなし。今井は「さあつっこんでくれ!」と全身で訴えているとしか思えないワケのわからぬポーズだったのに。なぜ今井に甘いのだ、落花生よ。

まあ、普通に考えれば、今井が腰だか脚だか関節だかを痛めていて、落花生の無茶な要求をこなせる体調ではなかったということなのだろうけれど、どう見たって不自然過ぎる。
まったくまねっこしていない今井をカメラはしっかり映すのである。今井以外のおにいさん・おねえさん、そしてスタジオの小さな人たちが一所懸命落花生の指令に従っているのに、今井だけヘンな格好なのだから、目立つことこの上なし。気になって仕方ない。

もし、今井の体のどこかに不調があってきついポーズがこなせないのなら、体調が戻るまでゆるやかなポーズにすれば良いだけではないか。あるいは、今井の立ち位置を、カメラが移らない場所へ移動すれば良い。
また、万が一、これが一時的な事ではなく、今井がV字バランスや腕立て伏せができない体の持ち主なのであれば、それはきちんと説明するべきだ。

本人に「ゆうぞうおにいさんは腰が弱いので同じポーズは出来ないんだ。でも、こうやって自分で出来るポーズをキメてるんだよ」のように説明させるとか、落花生が「おおっと、ゆうぞうおにいさんは脚が痛いんだったっけな。だったら、脚を上げずに腕だけでまねっこしてくれ。テレビの前の君たちも無理しないでポーズをキメるんだぜ」とか言えばいいじゃないか。

テレビを見ている子どもたち、あるいはスタジオに参加している子どもたちの中には、障がいを持つ子や怪我をしている子もいるだろう。この「まねっこピーナッツ!」は、「おかあさんといっしょ」の中で体の不自由な子に対する配慮を見せる良いチャンスだと思う。
たとえば、ピチピチとしたレオタードのお姉さんたちが颯爽と体操を披露するNHK「テレビ体操」では、椅子に座って体操するお姉さんが1人配置されている。これは体の不自由な人や足腰の弱ったご老人も一緒に体操が出来るようにという配慮だと思うのだが、「おかあさんといっしょ」もこのようなスタンスを取り入れたらどうか。

今後、仮に今井がV字バランスだろうがM字開脚ビターンだろうがどんな格好でも楽々こなせるようになったとしても、体の不自由な子向けバージョン担当として一人だけ別のポーズをしても良いと思う。もちろん、ちゃんと説明つきで。
世の小さな人たちは、案外、大人からきちんと説明されるのが好きだ。すべてわからなくても、自分のわかる範囲で理解しようとするものである。【み】

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