真似するよりも真似される存在であれ

今朝の「おかあさんといっしょ」のオープニング。今井ゆうぞうおにいさんがトンボに関する蘊蓄を傾けると、それを受けてはいだしょうこおねえさんがボタンを押すアクションつきで「へぇ〜、へぇ〜。へぇ〜」。言うまでもなくフジテレビ 「トリビアの泉」の真似である。
これまでも同様のシチュエーションでしょうこおねえさんが「へぇ〜」と小さく呟くシーンはあったが、今朝のしょうこおねえさんの「へぇ〜」は思いっきり「トリビアの泉」風の声音。そこまでやるかNHK。

「おかあさんといっしょ」といえば、1959年スタートの日本初の幼児向けテレビ番組であり、“歌のおにいさん”や“体操のおにいさん”はしばしば民放のバラエティ番組や漫才・コント等でパロディのネタにされてきた。
それは「おかあさんといっしょ」が十年一日の如く変わらないからであって(実際は何度もマイナーチェンジが行われているが)、日本中の老若男女が一定のイメージを抱ける番組だからこそ、パロディの元ネタになりうるのである。

今「トリビアの泉」や「うんちく王」が人気を集めている。制作者が番組の中に世間の流行を取り入れたくなる気持ちはわかる。だが、流行なんか気にせず独自の道を歩む方が格好いいこともあるのだ。
変わらないからこそ魅力的なのであって、流行に大きく左右されなかったからこそこれほど長く放送されてきたのではなかろうか。

番組に流行を取り入れたいのなら、せいぜい出演者の衣装や歌のアレンジ程度にしてほしい。民放の人気番組を中途半端に真似させるなんてつまらないよ。
いや、どうせやるなら「トリビアの泉」のセットを組んで高橋克実と八嶋智人を登場させるくらい徹底的にやったらいい。NHKの「おかあさんといっしょ」から出演依頼があったら、たいていのタレントは断らないと思うぞ。
オープニングの数分のトークだけのために高橋克実と八嶋智人。遊ぶならせめてそのくらいの贅沢はしてもらいたい。【み】

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