ひらがなの似合うゆうぞうおにいさん

「おかあさんといっしょ」の歴代の歌のおにいさんに対し、私は勝手にこんなイメージを抱いている。
先々々代の坂田おさむは「やんちゃなお兄ちゃん」。先々代の速水けんたろうは「頼りがいのある優しいパパ」。先代の杉田あきひろは「愉快な友だち」。

そして、月から登場した新しい歌のおにいさん・今井ゆうぞうは「穏やかな弟」だ。
姉ちゃんがヒステリーを起こして暴れていると、「姉さんの気持ちもわかるけど、まあまあ、落ち着いて」などと笑顔でなだめるような雰囲気。決して大きな声を出したり激昂したりしない感じ。しかし、言うべきことはきちんと言えるしっかり者。
番組に登場して1週間。今井をこれまで見てきて感じた印象は、歴代歌のおにいさん初の“弟キャラ”。

ところで、「おかあさんといっしょ」は、「お兄さん・お姉さん」ではなく「おにいさん・おねえさん」とひらがなで表記するのが慣例である。
今井は、ひらがなの「おにいさん」という肩書が良く似合う。
穏やかな声音。時に呟くように聞こえることすらある柔らかな歌声。まるで「素」のような飾らぬ表情。
通常、「子ども番組」の出演者はいつもニコニコしている印象があるが、今井は割と普通の顔をしていることが多いのだ。そして、ここぞというところで確実に見せる百万両の笑顔。
上がり過ぎず下がり過ぎぬ絶妙のテンション。肩に無理な力が入っていない穏やかな今井は、リラックスして見ていられるおにいさんである。【み】

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