「茂森あゆみ1stアルバム完成記念イベント」見聞記

6月17日土曜日。
あいにくの雨模様。歩くたびに足下が濡れて気持ちが悪い。
こんな日はできることなら外に出たくないのだが、今日ばかりは雨もなんのその。浮かれ気分で新宿へ向かう。
「おかあさんといっしょ」の先代の歌のお姉さん・茂森あゆみの1stアルバム完成記念イベントが、HMV新宿サウス店で行われるのである。
HMV新宿サウス店で、茂森あゆみ1stアルバム「茂森あゆみ ミュージック・ボックス〜あゆみ・シングス・ディズニー〜」(エイベックス)を購入すると、イベント参加の整理券が貰えるという寸法だ。
HMV新宿サウス店は、新宿南口のタカシマヤの中にある。
イベントは18:00スタート。
HMVに到着したのが17:00頃。
既にイベントスペースには10数人の観客が茂森の登場を今や遅しと待っている。小さい子ども連れ、1人で来ている若い男性、男女2人連れなどなど、バラエティに富んだ客層である。
今回、ご同行いただいたA氏(当サイト掲示板常連にして熱烈なるShigemorist)と、会場でお会いしたK氏(やはり当サイト掲示板常連にして熱烈なるShigemorist)と私(みやした)の3人で、茂森の魅力について語らいながらイベント開始を待つ。

17:40。イベントの主催者らしき男性がマイクを手にする。

「えー、間もなく、あと20分ほどでイベントを開始いたしますが…」
おいおい、20分ってのは「間もなく」というには、少々長すぎやしないか?
「皆さん、整理券をお持ちですね?では、番号順にこちらの方からお並びください。まず、1番から10番の方…」
ざわめく会場。私とA氏がHMVに着いたのは17:00だったからまだいいようなものの、もっと前からイベントスペースで場所を確保していた人も少なくないようである。「17:40から整理番号順に1列に並ばせる」というシステムがわかっていれば、何もカラッポのイベントスペースを無為に眺めながらじっと待っている必要はなかったわけだ。
先代の「おかあさんといっしょ」の歌のお姉さんが唄うディズニーの名曲集のCDということで、子連れの客を中心に集まることは予想がついていたはず。退屈を全身で訴える子ども、ぐずる子を必死にあやす親。誠に気の毒な光景である。さらにそのまわりの子連れではない客にとっても、苦難の待ち時間だったことだろう。
せめて1時間前にでも整列時間を告知していれば、大人も子どもも安楽に時を過ごせたはずである。

整理券を手にぞろぞろと店内を移動し、1列に並ぶ。
ざっと見た感じでは、整理券を持っている客は100人弱といったところ。悪天候でこの人数、なかなかの盛況ではなかろうか。
係員の指示に従い、番号順にイベントスペースに移動。
このイベントとは無関係の通りすがりのHMVの客が、「何事か?」といったまなざしで我々を見ているのが、少々恥ずかしい。

18:00。MCの女性が登場し、いよいよイベント開始である。

MCの女性の紹介で、お待ちかねの茂森登場!
水色の大判のスカーフを羽織り、同色の足首丈のワンピースにやはり同色のポシェット、高めのヒールのサンダルというスタイル。

茂森がCMに出演している雪印のヨーグルト「ナチュレ」と「ディズニー・オン・アイス」、7月に開幕する茂森主演のミュージカル「星の王子さま」のパブリシティも兼ねていたようで、本邦初公開という「ディズニー・オン・アイス」のCMの映像が流されたり、3問だけの三択クイズコーナー、さらに唐突に「ナチュレ」を一口食べるコーナーがあったりと、なんとも賑やかなイベントであった。

長いまつげにふちどられた大きな瞳がクルクル動く。リップグロウでつやつやに輝く唇がニッコリ微笑んだりキリっと引き締まったりおなじみのアヒル口になったり。
ああ、見ているだけで幸せな気分。

この日、流れた「ディズニー・オン・アイス」のCMは2種類。
1つは真っ赤な衣装を着た茂森がスティールドラムの前で唄い踊るバージョン。
もう1つは、今年の「ディズニー・オン・アイス」のテーマ「リトル・マーメイド」をイメージしたの緑の衣装を着た茂森が、数人の子どものダンサーを従えて軽快に唄って踊るバージョン。
かなり長いCMで、実際にテレビで放映されることは滅多にないと思われる貴重な映像だったのだが、残念なことに、音声がうまく流れず、歌も台詞も途切れ途切れで良く聞こえない。
ああ、もったいない。

しかし、「あらー、大変なことになってますねえ」という茂森の愛くるしい声で、すべて帳消し。許す。許すぞ。ああ、許すとも。

クイズコーナーでイベントはますます盛り上がる。

クイズその1。「茂森あゆみが6年間出演していた番組は?」。
(1)おかあさんといっしょ(2)おとうさんといっしょ(3)はたらくおじさん
クイズその2。「茂森あゆみがミュージカルで扮する役は?」。
(1)とのさま(2)おうじさま(3)おじいさま
クイズその3。「茂森あゆみが一番好きなディズニーキャラは?」。
(1)ミッキーマウス(2)ミニーマウス(3)くまのプーさん

クイズの賞品は「茂森あゆみ ミュージック・ボックス〜あゆみ・シングス・ディズニー〜」と同じ絵柄のマウスパッド。茂森の顔が大写しになったマウスパッドの上をマウスを転がすなんて、もったいなくて到底無理だぞ。なんでまたマウスパッドなんて作ったかなあ、エイベックス。でも、欲しい。すごく欲しい。

MCの女性が問題を読み終わると同時に一斉に手が挙がる。
こういう時は子連れが強いのは世の常。3問とも、子連れの客が指名される。
1問目の正解は(1)、2問目は(2)。
この2問はクイズとは名ばかりのサービス問題。よく「ナチュレはお腹にやさしいヨーグルト。雪印のおいしいヨーグルトはナ○ュレです。〜○の中に文字を入れてください〜」みたいなクイズもどきの企画があるが、あれと一緒である。

だが、3問目はちょいと難易度高し。
正解は(3)くまのプーさん。

これは、実は先月発売された月刊誌「ディズニーファン」(講談社)に掲載されていた茂森のインタビューで答えが明かされていたのだった。
案の定、指名された子どもの回答は「ミニー」。不正解だ。

「あっ、あ、そうか、ミニーちゃんかぁ。うーん、でも、違うのよね。どうしよう」
その時の茂森の慌てようがまた可愛いんである。
「あ、あ、もう一回答えてるんだよね?え?なあに?何番?3番?プーさん?」
あたふたする茂森と一緒に思わず私までドキドキ。
というわけで、無事、マウスパッドは3名の回答者の手に渡ったのだった。めでたしめでたし。

100人の観客を前にして、ちょっとビックリしたような表情をした茂森だったが、小さい子どもを見つけると、実に嬉しそうに手を振る。ぶんぶん振る。
トークの合間にも、「あ、この話、つまんない?」「ごめんねえ、さっきからずっと手をふってくれてるのよねー」などと、小さい子どもたちへの配慮を忘れない。
さすがは「日本一たくさんの3歳児と会った人間の1人」と雑誌のインタビューで自称しているだけあって、小さい子どもへの対応は文句なし。まさに日本一。

だが、「あれ?ええと、質問はなんでしたっけ?」とMCの女性に問いかけるシーンも。話しているうちに何の話題だったかわからなくなってしまったらしい。
だが、こんなところがまた非常にチャーミングなのだった。

麗しい茂森の姿に目を奪われ、愛らしい茂森の声にうっとり聞き入っているうちにトークイベント終了。続いて、サイン会である。
といっても、実際にその場でサインをするわけではなく、既にサイン済みの色紙を茂森が手渡してくれる。ひとりひとりに可憐かつゴージャスな笑顔で応対する茂森。

しかも!
嬉しいことに「ナチュレ」特製のトラベルクロックを全員が貰えたのである。
時計の真ん中で茂森が爽やかに微笑むキュートな時計だ。
これは、かつて抽選で1000人にプレゼントされた景品だったのだが、相も変わらずクジ運の悪い私は当然ハズレ。入手はあきらめていただけに、思いがけない幸運に思わず小さくガッツポーズ。

握手した茂森の手は驚くほど華奢で柔らかだった。
雨の新宿に天使が舞い降りた夜。【み】

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