おじゃるとだんご ―NHKの商魂―

今日の「スタジオパークからこんにちは」(NHK総合)のゲストは、演歌の御大・北島三郎。
たまたま北島の実父が亡くなったばかりということで、その話題を中心にトークが進んだわけだが、本来ならば、今日の目玉はアニメ「おじゃる丸」の主題歌に関する話題であろう。

あのサブちゃんが、コドモ向けのアニメのテーマソングを唄うとは!

昨年秋からスタートした「おじゃる丸」のオープニングテーマに腰を抜かした人も多かろう。
「ぽーつ」「まったり」などという味のある語感をもつ言葉を、ゆったりとしたメロディにのせ、北島ならではのスケールの大きな歌唱法で景気よく唄いあげる。「おじゃる丸」自体の出来のよさもあいまって、北島の唄うテーマソング「詠人」、人気沸騰中らしい。シングルCDリリース、通信カラオケにも入っている。

「スタジオパークでこんにちは」でのトークによれば、この曲の依頼がきた時、北島は「どうしてもやりたい」と思ったという。
「歌の仕事をしている以上、小さな子供から老人にまで、心に残る曲を歌いたい、足跡のようなものを残したい」という北島。なかなかいい話である。

さて、「おじゃる丸」のテーマ「詠人」が、98年のETV発ヒットソングとするならば、99年は「だんご」で決まりである。
そう、「おかあさんといっしょ」の1月の月の歌「だんご3兄弟」である。
「団子」と「タンゴ」をかけたユニークな曲調、キュートなアニメーション。オンエアと同時に大きな評判を呼び、なんと「おかあさんといっしょ」初のシングルCDリリースという快挙(3/3発売予定)。カラオケに入るのも時間の問題であろう。

NHKは、昨年、「できるかな」の人形、ごん太くんのキャラクタグッズを大々的に売り出しはじめ、お堅いNHKもようやく商いの心に目覚めてくれたかと、ETVフリークたちを喜ばせてくれた。
そして、「詠人」「だんご3兄弟」のヒットである(「だんご」はまだCDがリリースされていないので、現時点でヒットというのは気が早いのだが)。
「商魂たくましい」というのは、通常、悪口に使われるものだが、こんな商魂なら大歓迎である。
99年は、ETV開局40周年。これを機に、NHKには、どんどんレアなアイテムを世に送りだしてもらいたい。たとえば「ストレッチマンなりきりセット」なんてのはどうだ。当然、大人が着られるサイズも用意してほしい。

現在「おかあさんといっしょ」の歌のおにいさんを務める速水けんたろうが、3月いっぱいで番組を降板してしまうため、4月以降の「だんご3兄弟」のオンエア状況が不安だが、この際、「みんなのうた」や「母と子のテレビタイム日曜版」の枠などを使って、がんがん放送していただきたい。紅白歌合戦(NHK総合)で「おじゃる」VS「だんご」対決が見られたら…、などと夢想するのは私だけではあるまい。【み】

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