けんたろうおにいさんの“流し目”

11月の「月の歌」は、懐かしや「夢のなか」。
かつて「母と子のテレビ絵本」の主題歌として、坂田おさむ&神崎ゆう子コンビが唄っていた曲だ。子守唄のような静かで優しい歌。

曲もいいのだが、映像がまた素晴らしい。
茶色をベースにした秋らしいカジュアルな服装のけんたろうおにいさんとあゆみおねえさん。
1番の二人でペーパームーンに腰かけ、時折目をみかわしながら唄うところ。3番で(なぜか)乳母車を押してきた二人が、唄いながら乳母車の中を覗き込むところ。バックにはCGの星空、花火、虹。

乳母車のシーンは、大きめのシャツを着たけんたろうおにいさんが乳母車を押す横からのフォルムがなんともいえずいい。思わず「包容力」という文字が脳裏をよぎる。
また、片手ずつ手を広げる振付では、けんたろうおにいさんの大きな掌にぐっときてしまう。あゆみおねえさんの白く華奢な掌とのコントラスト。

しかし、なんといっても、1番の「さあ、さあ」という歌詞で、けんたろうおにいさんがあゆみおねえさんを見るところが最高だ。
顔を移動すると同時にすうっと横目づかいになる。いわゆる流し目。今までお目にかかったことのないような表情だから、とってもトクした気分。

スクエアなイメージのけんたろうおにいさんの流し目は、悪戯っぽいなんともチャーミングな表情。毎朝、毎夕、あの目つきを鑑賞できるのかと思うと、11月、いい月になりそう。
実は私は11月の生まれ。最高のバースデイプレゼントと勝手に思い込んで、今日もテレビに釘付けなのだった。【み】

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