このブログでは、主に昭和期に製作された英映画社 (1927-2009) の作品およびチラシの画像を紹介しています。古い資料が多く文字がつぶれて読みにくい箇所があるため、文字起こししたテキストを添えています。
なお、当時と現在では考え方やさまざまな環境が違うこともあり、今見ると非常識に思える部分がありますが、歴史的な資料として、誤字や旧仮名遣い等も含めできるだけそのままの形で掲載しておりますことをあらかじめご了解ください。また、掲載されている住所や連絡先は当時のものですのでご注意ください。
データ
「美しく豊かな言葉をめざして」
「ことばの国の裁判」「美しい日本語 楽しい語源」「くらしの中の音声訓練」
1986(昭和61)年
企画・製作:文化庁
製作担当:株式会社 英映画社
チラシ
チラシのテキスト(文字起こし)
「ことばの国の裁判」
——誤解を招かない表現——
「美しい日本語 楽しい語源」
「くらしの中の音声訓練_
——子音を中心に——
利用対象(学校教育) 小学校
中学校
高等学校
など
(社会教育) 青少年
成人・一般
ことばの国の裁判 —誤解を招かない表現—
〈ねらい〉コミュニケーションが円滑に行われ、伝達の内容が意図したとおり充分に相手に理解されるためには、どんな点に注意したらよいか。不用意な発言で相手を傷つけないためには、どんな配慮が必要だろうか。
〈内容〉主人公大介は中学2学生。ある日、ことばの国で自分の日ごろの言葉づかいを裁かれるという、不思議な夢を見る。裁判長は校長先生、検事は言葉に厳しい国語の先生、弁護人はやさしい担任の先生、祖母・父・母・妹・友人も登場し、大介の犯した言葉の罪についてさまざまな意見を交わしあう。
「おばあちゃん、お迎えが来ましたよ」「女のクセに野球のユニホームなんか着て」「お夜食うどんでいい?」「いいよ」などの言葉や、アイマイな表現がとんでもない誤解を招いたことについて。はたして判決は白か黒か。
美しい日本語 楽しい語源
〈ねらい〉私たちの日本語は、大和ことば、漢語のほか、さまざまな外来語からなっている。日ごろ何気なく使っていることばでも、その由来は古今東西いろいろである。みじかな言葉の本来の意味を探りつつ、現在の用法を見つめ直し、美しく豊かな日本語の世界への関心を高めてゆきたい。
〈内容〉晚秋のある日、中学1年生の伸子は、国語学者の祖父のおともをして遊覧船に乗り、隅田川をさかのぼる。浅草に着いた二人は、浅草寺、鷲(おおとり)神社、一葉記念館などを散策しながら、目に触れ耳にすることばの由来について楽しく語りあう。ジャンケンポン、寿司、コロッケなどは、もともとはどこから来たことばなのだろうか。「日本語っていいなァ」ほのぼ のとそんな感じが伝わる作品である。
くらしの中の音声訓練
〈ねらい〉日常の言語生活におけるカ行音以下の発音を明瞭に美しく行うにはどうすればよいか。子音は瞬間に消えてしまうため母音とは違う難しさがある。最近、若い人々の発音について、特にサ行音などに難点が目立つと言われている。誰でも自分の発音に関して何らかの欠点を意識しているのではないだろうか。このビデオが気軽に音声訓練に取組むためのきっかけになれば幸いである。
〈内容〉昭和60年度の作品「くらしの中の音声訓練—母音を中心に—」の続編。登場人物は、指導の寺島先生と男女各2名(大学生、セ一ルスマン、銀行員、店員)の生徒である。個々の子音の特徴についての簡単な説明の後、生徒たちが実際に例題を発音し、先生の指導を受ける。シチジ(七時)、ショウヒシャ(消費者)、チシツ(地質)、ヒビヤ(日比谷)、モモノミ(桃の実)、レットウ(列島)……あなたも一緒にやってみませんか。