銀座線渋谷車庫横の坂|映像の中の渋谷

道・交通|映像の中の渋谷

古い映画やドラマなどの映像から昭和の渋谷の風景を探しています。

銀座線渋谷車庫横の坂
東京都渋谷区道玄坂1-15
現「渋谷マークシティ」の位置にあった銀座線渋谷車庫の南東に沿った坂。

映画「踏みはずした春」

1958

笠原(小林旭)に、母親が働いている会社で働くことをもちかける奎子(左幸子)。銀座線渋谷車庫(現渋谷マークシティ)横の坂(道玄坂1-14付近)。

坂を下りながら話す左幸子と小林旭。

映画「踏みはずした春」
監督:鈴木清順
1958(昭和33)年/日活
出演:左幸子、小林旭、浅丘ルリ子、宍戸錠、殿山泰司

映画「狂熱の季節」

1960

明(川地民夫)と勝(郷鍈治)はユキ(千代侑子)と外国人の客を乗せ、銀座線渋谷車庫横の坂の上にある連れ込み宿に向かう。ちなみに休憩200円、宿泊600円。安い。日銀の「教えて! にちぎん」コーナー(昭和40年の1万円を、今のお金に換算するとどの位になりますか?」のページの計算式によれば、この映画が公開された昭和35年と令和3年の物価を比較すると約5.5698倍。ということは現在の物価に換算すると休憩は約1000円で宿泊約3300円? やっぱり安い!

映画「狂熱の季節」
監督:蔵原惟繕
1960(昭和35)年/日活
出演:川地民夫、郷鍈治、松本典子、千代侑子、長門裕之

鑑別所帰りの明が富裕層の文子と出会ったことで、彼女の人生に再生不能な傷跡を残していく。刹那的に生きる明と難しい理屈で自らを追い詰めていく文子の対比。
富裕層の描き方がカリカチュアライズされすぎで、明の過剰に奔放な演技と併せて滑稽に見えてしまう点はあるが勢いのある映画だ。戦災復興とオリンピックで建設まっさかりの渋谷、いたるところが工事中だ。

映画「大冒険」

1965

ニセ札偽造団の車が植松(植木等)を轢き殺そうとして追い回す。道玄坂1丁目、銀座線車庫(現「渋谷マークシティ」)横の坂。

映画「大冒険」1965年

逃げる植木等!

映画「大冒険」
監督:古澤憲吾
1965(昭和40)年/東宝
出演:植木等、谷啓、団令子、ハナ肇、犬塚弘、石橋エータロー、桜井センリ、安田伸、越路吹雪

国際的なニセ札偽造団が問題になっていた。週刊トップの記者植松唯人(植木等)と隣人の発明家谷井哲介(谷啓)は日本にもニセ札が上陸しているのを発見、植松の書いた記事は大スクープになった。一方警察の花井刑事部長(ハナ肇)、乾刑事(犬塚弘)、市橋刑事(石橋エータロー)は植松が知らずに使った一万円札がニセ札だったことから偽造団の一味と勘違いして植松の追跡を開始する。偽造団の東京地区の責任者、金融会社森垣金融の森垣久美子(越路吹雪)は植松の命を狙う一方日本からの撤退を図り、人質として警察のスパイの疑いがある谷井の妹悦子(団令子)を拉致して移動を始める。植松と谷井は悦子のコンパクトに仕込んでいた発信機の信号を追って名古屋、神戸、さらには偽造団の潜水艦の艦内と移動、警察がこれを追う。偽造団に発見された植松と谷井は処刑されそうになるがその時……。
クレージー・キャッツ結成10周年記念映画だけに予算が潤沢、アクションシーンや特撮がたっぷりの見応えのある作品。

映画「俺の背中に陽が当る」

1963

兄健三(内田良平)を謀殺した小谷(山内明)が海外へ逃亡を図るという知らせを聞いた滋(浜田光夫)が小谷の自宅に駆け込む。小谷の自宅の階段の間からのショット。小谷の自宅は銀座線渋谷車庫(現「渋谷マークシティ」)横の坂(道玄坂1-14付近)にある。

映画「俺の背中に陽が当る」
監督:中平康
1963(昭和38)年/日活
出演:吉永小百合、浜田光夫、小高雄二

滋(浜田光夫)は、友人の俊夫(小沢直好)とビルの窓拭きの仕事をしながら、服役中のヤクザの兄健三(内田良平)の家族の面倒をみていた。出所した健三は元の組にカタギになることを告げて事務所を去る。これに対し山田組の小谷(山内明)は一計を案じ、組長の山田(安部徹)を殺し健三に不利な証拠を残した上で健三を刺殺し、健三に無実の罪を着せて組織の長にのしあがる。滋は兄の仇をうつことを決意しあえて山田組の一員になり、兄の謀殺の証拠をつかもうとする。
生々しい刺殺シーンなど強めの暴力描写がある。榎木兵衛と野呂圭介の滑稽な下っ端コンビが印象的。

映画「やくざの歌」

1963

新田俊次(千葉真一)と流しの北見三郎(北見三郎)が北見のアパートに帰ってくると北見の部屋に明かりがついていることをいぶかしむシーン。千葉真一(左)の背後に東急百貨店東横店のネオンが、左隅に峯岸ビル(現「QFRONT」宇田川町21-6)屋上のナショナルのネオンが見える。北見のアパート周辺のシーンで見られる看板から「あたり荘」(現「プリメーラ道玄坂」渋谷区道玄坂1-15-3)あたりと推定する。

映画「やくざの歌」
監督:若林幹
1963(昭和38)年/東映
出演:千葉真一、北島三郎、本間千代子、宮園純子、曽根晴美、十朱久雄、北竜二、谷幹一、佐々木孝丸、村田英雄

新田俊次(千葉真一)はヤクザ組織の構成員。ある日恐喝にあった女子大生北見紀子(本間千代子)を助け、互いに好意を抱くが、彼女は俊次の友人で流しの北見三郎(北見三郎)の妹だった。俊次を信頼しながらもヤクザと妹がつきあうことに苦悩する三郎。一方俊次の組織で預かることになった神戸のボスの息子双葉真(曽根晴美)。粗暴な彼の暴力はやがて三郎にも及び、俊次は組織と友情の板挟みになって苦しむ。

映画「銀座の若大将」

1962

マネージャー江口敏(江原達怡)の伴走で田沼雄一(加山雄三)がロードワークをするシーン。銀座線渋谷車庫横の坂を上る。左手に銀座線渋谷車庫、左奥のナショナルの広告があるのが「峯岸ビル」(現「QFRONT」宇田川町21-6)。中央の赤いビルは京王線渋谷駅、ここから銀座線渋谷車庫の一帯が「渋谷マークシティ」(道玄坂1丁目12−1)となった。その右には「東急百貨店東横店」の赤いマークと「東横」の文字が見える。右手の空き地の遠方には「東急文化会館」(現「渋谷ヒカリエ」渋谷2-21-1)のプラネタリウムのドームが。

映画「銀座の若大将」
監督:杉江敏男
1962(昭和37)年/東宝
出演:加山雄三、有島一郎、中真千子、飯田蝶子、星由里子、団令子、田中邦衛

京南大学の音楽部員田沼雄一(加山雄三 )は新聞部の団野京子(団令子 )に付き合って広告をとりに行った洋裁店らべるで店員の中里澄子(星由里子 )に見初められる。ある日拳闘部のマネージャー江口敏(江原達怡)が他大学との喧嘩に巻き込まれ、雄一がこれを助けたことから雄一は拳闘部に勧誘され、教授(左卜全)や祖母(飯田蝶子)の勧めもあり入部することになる。だが父の久太郎(有島一郎)は雄一がボクシングをすることに反対で、久太郎の友人島川金五郎(上原謙)のレストランに雄一を住み込みで働かせることを強引に決める。雄一のレストラン勤務と拳闘部の合宿の苦しい日々が始まる。一方レストランの隣にあるらべるの店員澄子と雄一は関係が深まっていく。

映画「その人は昔」

1967

上京した青年(舟木一夫)と洋子(内藤洋子)は渋谷駅前で置き引きに荷物を持ち去られてしまう。荷物を持った置き引きが逃げていくのが銀座線渋谷車庫横の坂。左側「ひなぎく」があるのは現「第2大番ビル」の位置(道玄坂1-11-1)、右側は現「渋谷マークシティ」。「ひなぎく」「宝屋」から位置を特定した。

映画「その人は昔」
監督:松山善三
1967(昭和42)年/東宝
出演:舟木一夫、内藤洋子、山中康司、大木徹三

北海道の漁村で暮らす青年(舟木一夫)と洋子(内藤洋子)は、貧しい暮らしに嫌気がさし2人で上京する。最初は力を合わせながら暮らしていた2人だったが、青年は賭け事にうつつをぬかし、洋子は裕福な男性(山中康司)と付き合うようになる。結局既婚者であった男性に捨てられた洋子は青年のもとに戻ろうとするが…。
内藤洋子のヒット曲「白馬のルンバ」が聴ける。脳を揺らすような摩訶不思議なデュエット曲「恋のホロッポ」はクセになる。原作が「レコードドラマ」(音楽と音声のドラマでストーリーを構成したものか?)であったせいか、全体的にストーリーが希薄でイメージビデオのような印象。音楽担当の船村徹の演歌調のテイストが全編を支配し、ロック調やジャズ調の曲も垢抜けなさがぬぐえない。

映画「やくざと抗争 実録安藤組」

1973

銀座でドス健(山本麟一)の一味に報復を受け、顔に大きな傷跡を負った矢頭(安藤昇)とその肩を支える加納(江守徹)。銀座線渋谷車庫横の坂(道玄坂1-15あたり)を上り、「旅館 一楽」の前で矢頭の幼馴染の早苗(藤浩子)と再会する。

映画「やくざと抗争 実録安藤組」1973年

関東桜会会長榊原(内田朝雄)の息子勇吉(郷鍈治)を預かることになった矢頭は、十文字組と手を組み勇吉を人質にして関東桜会と対立しようとする。しかしこれには双方とも裏の思惑があった。十文字組と話がついた後の矢頭(安藤昇)と加納(江守徹)、三崎(袋正)。
左の特徴ある塔は京王線渋谷駅屋上の塔、赤いマークは「東急百貨店東横店」、一番右のビルはこの後「ジャノメミシン」が映ることから渋谷駅南口の「渋谷駅前会館」(道玄坂1-3-1)であることがわかる。それに加えこの前後に映る「旅館東荘」(現「万字ビル」道玄坂1-15-10)、「渋谷中央街」の看板から道玄坂1-15付近と位置を特定した。

映画「やくざと抗争 実録安藤組」1973年

関東桜会に惨殺された三吉(佐藤蛾次郎)と北西原(川恵一)の死体を前に矢頭(安藤昇)らが関東桜会の決戦と矢頭組の結成を決意するシーン。銀座線渋谷車庫横の坂に面する空き地。この場所はオープニングでスタッフ・キャスト名のバックにも映る。

映画「やくざと抗争 実録安藤組」
監督:佐藤純彌
1973(昭和48)年/東映
出演:安藤昇、袋正、江守徹、北川恵一、安岡力也、小林稔侍、諸角啓二郎、今井健二、佐藤蛾次郎、深江章喜、室田日出男、佐藤晟也、郷鍈治、内田朝雄、渡辺文雄、藤浩子、山本麟一、八名信夫、松井康子、丹波哲郎

学生やくざ矢頭(安藤昇)は銀座の愚連隊のドス健(山本麟一)と揉め事になり、ドス健は矢頭の子分三吉(佐藤蛾次郎)に刺されて死ぬ。この一件で矢頭の顔には大きな傷跡が残ることになる。当時渋谷の闇市は橋場組と十文字組がとりしきっていたが、矢頭は商人を組織化して橋場組の縄張りを奪うことに成功する。これに対し橋場組は矢頭の店にダイナマイトを投げ込むなど報復をしたが、矢頭が手打ちしたと見せかけたところで子分たちが橋場(諸角啓二郎)に瀕死の重傷を負わせ、橋場組は縄張りを矢頭に譲ることになる。ある日大組織関東桜会会長榊原(内田朝雄)の息子勇吉(郷鍈治)を預かることになった矢頭は、榊原は十文字組と自分たちを対決させたところで渋谷の縄張りを乗っ取ろうとしていると見抜き、十文字組と手を組み勇吉を人質にして関東桜会と対立しようとする。だがこれは矢頭が十文字組を潰そうとする作戦だった。しかし十文字組の方にもまた裏の目論見があった。
矢頭と幼馴染早苗のエピソードが並行して語られるが、とってつけたような話。話の展開も妙におセンチ。

「映像の中の渋谷」参考文献
富田均「東京映画名所図鑑」(1992/平凡社)
富岡畦草「東京 消えた街角」(1992/玄同社)
川本三郎「銀幕の東京」(1999/中公新書)
野村宏平「ゴジラと東京 怪獣映画でたどる昭和の都市風景」(2014/一迅社)
宮崎祐治「東京映画地図」(2016/キネマ旬報社)
渋谷定点観測02-22
東京福袋の吉野 忍が 2002年に渋谷で撮影した写真とその20年後の2022年に同じ場所で撮影した写真をまとめた「渋谷定点観測02-22」。こちらも併せてどうぞ。