テレビをこじらせた東京福袋が書いた
ノンキなコラム集

宮下公園|映像の中の渋谷

古い映画やドラマなどの映像から昭和の渋谷の風景を探しています。

宮下公園
東京都渋谷区渋谷1-26-5
約2万坪とも言われた旧皇族「梨本宮家」の邸宅地に隣接していたことから「宮下町」と呼ばれていた地域に1953年に開設された区立公園。その後1966年に東京初の屋上公園として整備される。2011年に再整備され「MIYASHITA PARK」の屋上に移設。(参考:渋谷区立宮下公園

映画「不良少女魔子」

1971

魔子(夏純子)のグループが東急本店で万引した女子高生達をカツアゲするシーン。渋谷1-26あたりと思われる。

映画「不良少女魔子」
監督:蔵原惟二
1971(昭和46)年/日活
出演:夏純子、藤竜也、小野寺昭、岡崎二朗、宍戸錠
 
日活株式会社
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映画「女子学園 ヤバい卒業」

1970

ストーリーとは無関係に「青春の詩」を吉田拓郎本人が歌うシーンが挿入される。吉田の背後に「丸井」と「日本生命」。「日本生命」は神南1-21-1に現存、「丸井」は神南1-21-3、現「渋谷モディ」の位置にあった。

映画「女子学園 ヤバい卒業」
監督:澤田幸弘
1970(昭和45)年/日活
出演:夏純子、岡崎二朗、城野ゆき、応蘭芳、河津清三郎、玉川伊佐男、藤圭子

白ばら学園に通う久保忠江(夏純子)ら5人の中学生グループはチンピラの小石(岡崎二朗)とも交流があり学校や警察から目をつけられている。彼女のグループは次々に起こす問題に対し学校側は無期停学処分を下す。これに対し忠江らは学園長の不正を暴こうと行動を始める。
他愛もないストーリーで、ピンク要素もそれほどなく映画としては見るべきものはない。夏純子が中学生という設定も無理筋だが、柳家金語楼の娘有崎由見子、唐突に歌謡ショーのシーンがはさまる藤圭子、宮下公園で歌う吉田拓郎が見られるのは収穫。

 
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映画「ゴー!ゴー!若大将」

1967

澄子(星由里子)が石山(田中邦衛)に、「雄一(加山雄三)は京奴(浜木綿子)と結婚することになった」と告げるシーンは「宮下公園」。「安田信託銀行」の看板は宮益坂下交差点に面して現存する「小林ビル」(渋谷1-14-11)。

映画「ゴー!ゴー!若大将」1967年

澄子(星由里子)から想いを告げられた後の、雄一(加山雄三)の心象風景的なシーン。まわりにいたカップル達が突然踊り出す中、加山が「幻のアマリリア」を歌う。

映画「ゴー!ゴー!若大将」
監督:岩内克己
1967(昭和42)年/東宝
出演:加山雄三、飯田蝶子、有島一郎、中真千子、星由里子、田中邦衛、北竜二、江原達怡、浜木綿子

京南大学陸上部の田沼雄一(加山雄三)は暴漢に襲われそうになっていた越川澄子(星由里子)を救ったことから彼女と想い合う仲になる。京南大学自動車部は全日本学生ラリーに出場予定だったが、出場するはずの石山新次郎(田中邦衛)が怪我をしたことからマネージャーの江口敏(江原達怡)から出場を頼まれる。スタート地点の京都に向かった雄一に好意を持った芸者の京奴(浜木綿子)が積極的にアプローチしているところを見た澄子は心穏やかではなかった。雄一と澄子のすれ違いが続く中、全日本学生ラリーが始まる。
緊張感のないラリーのシーンの後、これで終わりかと思うとまたひと悶着ある。あれは蛇足。

映画「男の怒りをぶちまけろ」

1960

三沢十郎(赤木圭一郎)がトラック運転手小泉(木浦佑三 )の妹章子(浅丘ルリ子)に話を聞こうとするが、章子から自分だけ助かったことを責められるシーン。
場所は「日活」の公式サイトにより宮下公園と特定。

映画「男の怒りをぶちまけろ」1960年

赤木圭一郎の右後方に看板が見える建物は、「東京 消えた街角」(1992年/玄同社)に掲載されていた空中写真から「丸井百貨店」(現「渋谷モディ」神南1-21-3)と推定。

映画「男の怒りをぶちまけろ」
監督:松尾昭典
1960(昭和35)年/日活
出演:赤木圭一郎、浅丘ルリ子、二谷英明

大型旅客機が二人の男、有本(内田良平)と橋場(土方弘)にハイジャックされる。犯人は男性が持っていたバッグを奪うと男性を飛行機から突き落とす。機内に橋場の顔を知る者がいたことから犯人は乗務員を気絶させパラシュートで脱出、旅客機は墜落する。二人は上陸すると長距離運送のトラックをジャック、このトラックを移動のためたまたま拾った新聞記者の三沢十郎(赤木圭一郎)も人質となり、運転手と三沢はトラックごと海へ落とされる。「事件屋」の村西三次(二谷英明)に救われ九死に一生を得た三沢は、旅客機の墜落事後と彼自身を襲った事件の背後に大きな背景があるとにらみ、事件を追い始める。村西も金の匂いを嗅ぎつけ、三沢とは別にこの事件を追い始める。
旅客機から被害者を突き落とすシーンや、車から落ちた男が後続車に轢き殺されるシーンなど結構残忍な暴力描写がある。犯人側のトップ筧順造(西村晃)の情婦役渡辺美佐子が普通のおばさんで振るわない。

 
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映画「クレージーメキシコ大作戦」

1968

鈴木三郎(谷啓)には相川雪子(園まり)という恋人がいたが、大林常務(十朱久雄)の娘令子(浦山珠実)との結婚の話を進めてしまう。鈴木が令子と一緒にいるところを見てしまった雪子が鈴木を責めるシーン。場所は宮下公園。あずまやに座る谷啓の後方に丸井渋谷店(現「渋谷モディ」神南1-21-3)の看板が見える。

映画「クレージーメキシコ大作戦」1968年

「眞野美容院」の看板があるのは明治通り沿いの現「トラスティ渋谷ビル」(渋谷1−24-1)。

映画「クレージーメキシコ大作戦」1968年

後方に見えるのは明治通り沿いの「都営宮下町アパート」(現「渋谷キャスト」渋谷1-23-21)。

映画「クレージーメキシコ大作戦」
監督:坪島孝
1968(昭和43)年/東宝
出演:植木等、ハナ肇、谷啓、犬塚弘、石橋エータロー、桜井センリ、安田伸、浜美枝、園まり、大空真弓、春川ますみ、田武謙三、十朱久雄、藤岡琢也、中丸忠雄、藤田まこと、人見明、ザ・ドリフターズ(いかりや長介、加藤茶、荒井注、仲本工事、高木ブー)

花岡組の清水忠治(ハナ肇)はメキシコ展に展示中の石像を盗む。石像にはメキシコの秘宝のありかの手がかりが隠されており、アメリカのギャングから石像を盗むよう指示を受けていたのだ。しかし石像は酒森進(植木等)の手に渡る。酒森は美術学校の学生村山絵美(浜美枝)に石像のレプリカを作らせ、レプリカを花岡組に500万円で売り込む。花岡(田武謙三)はレプリカを持って渡米、清水もこれを追った。一方酒森は名外科医と間違えられて拉致され、アメリカのギャング団のボスの脳手術をするために彼もまたアメリカに渡ることになる。
メキシコオリンピックに向けて撮影された作品で、サンフランシスコやメキシコでのロケは豪勢だが、だらだらと長い作品。

 
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映画「コント55号 人類の大弱点」

1969

宮下第1歩道橋をわたり宮下公園側から明治通りを渡る大垂欽一(萩本欽一)。後方右に宮下公園、中央に渋谷川。左側のビルは明治通り沿いの現「トラスティ渋谷ビル」(渋谷1−24-1)。

映画「コント55号 人類の大弱点」
監督:福田純
1969(昭和44)年/東宝
出演:萩本欽一、坂上二郎、岡田可愛、小林夕岐子、宮地晴子、白川由美、いしだあゆみ、チコとビーグルス

様々な分野で詐欺をはたらくことから「通産省」と異名をとる大垂欽一(萩本欽一)はある日電気店の店員を装って詐欺係に配属されたばかりの刑事駒形二郎(坂上二郎)を騙し、駒形は電気店に泥棒扱いを受けてしまう。ここから駒形と大垂の長年にわたる追走劇が始まる。
当時多くの国民が感じていたコント55号への愛着があってはじめて成立するドラマ。意外と萩本欽一が愛嬌に乏しく楽しみにくい。

 
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映画「私が棄てた女」

1969

女工時代からの友人深井しま子(夏海千佳子)のもとに一度は身を寄せた森田ミツ(小林トシ江 )だが、しま子は情夫(江角英明)と同居し売春の斡旋をしていたため荷物を持ち早朝アパートを去る。
遠方に国立代々木競技場。ミツが昇った階段は国立代々木競技場や線路の位置関係、手摺のデザインから「宮下公園」と特定。

映画「私が棄てた女」
監督:浦山桐郎
1969(昭和44)年/日活
出演:河原崎長一郎、浅丘ルリ子、小林トシエ、小沢昭一、加藤武、岸輝子、辰巳柳太郎、加藤治子、夏海千佳子、佐野浅夫、露口茂、早野寿郎、大滝秀治、江守徹

社長の姪マリ子(浅丘ルリ子)との結婚を控え将来を約束されていた吉岡務(河原崎長一郎)は、ある日抱いたクラブの女から森田ミツ(小林トシ江)の名前を聞いて驚いた。ミツは吉岡が学生時代遊びのつもりで関係を持ち棄てた女工であった。ある日マリ子の親族への挨拶のため車で移動していた吉岡は、街でミツを見かけ追いかける。ミツが7年経った今でも吉岡のことを愛していたことを知り、吉岡の心は揺れ始める。
無教養だが自らを犠牲にして人を愛するミツと、地位と献身的な愛の間で悩む吉岡の姿を描く。
ドラマでは情けない役どころが多い印象の河原崎だが本作では美しい浅丘ルリ子に愛される役。小林トシ江が地方出身の素朴な女工の献身的な愛をみごとに演じている。パートカラーで製作されており、吉岡の回想シーンは緑のフィルター、ミツの回想シーンは赤のフィルターがかかり、ミツが「新相馬節」を歌うシーンで映る相馬野馬追の様子とラストのシークエンスのみカラー映像になる。原作は遠藤周作の「わたしが・棄てた・女」。

 
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映画「その人は昔」

1967

デートをする青年(舟木一夫)と洋子(内藤洋子)。だがこの後不良に絡まれることになる。二人がいるのは「宮下公園」の南端の階段。後ろにみえる映画館は「全線座」(現「渋谷全線座ビル」渋谷1-24-10)。

映画「その人は昔」
監督:松山善三
1967(昭和42)年/東宝
出演:舟木一夫、内藤洋子、山中康司、大木徹三

北海道の漁村で暮らす青年(舟木一夫)と洋子(内藤洋子)は、貧しい暮らしに嫌気がさし2人で上京する。最初は力を合わせながら暮らしていた2人だったが、青年は賭け事にうつつをぬかし、洋子は裕福な男性(山中康司)と付き合うようになる。結局既婚者であった男性に捨てられた洋子は青年のもとに戻ろうとするが…。
内藤洋子のヒット曲「白馬のルンバ」が聴ける。脳を揺らすような摩訶不思議なデュエット曲「恋のホロッポ」はクセになる。原作が「レコードドラマ」(音楽と音声のドラマでストーリーを構成したものか?)であったせいか、全体的にストーリーが希薄でイメージビデオのような印象。音楽担当の船村徹の演歌調のテイストが全編を支配し、ロック調やジャズ調の曲も垢抜けなさがぬぐえない。

「映像の中の渋谷」参考文献
富田均「東京映画名所図鑑」(1992/平凡社)
富岡畦草「東京 消えた街角」(1992/玄同社)
川本三郎「銀幕の東京」(1999/中公新書)
野村宏平「ゴジラと東京 怪獣映画でたどる昭和の都市風景」(2014/一迅社)
宮崎祐治「東京映画地図」(2016/キネマ旬報社)
渋谷定点観測02-22
東京福袋の吉野 忍が 2002年に渋谷で撮影した写真とその20年後の2022年に同じ場所で撮影した写真をまとめた「渋谷定点観測02-22」。こちらも併せてどうぞ。