テレビをこじらせた東京福袋が書いた
ノンキなコラム集

渋谷駅前交差点|映像の中の渋谷

古い映画やドラマなどの映像から昭和の渋谷の風景を探しています。

渋谷駅前交差点
東京都渋谷区道玄坂2-1
通称「渋谷スクランブル交差点」。
ハチ公口を出たすぐ先にある、渋谷駅前交差点。1回の青信号で行き交う人数は多い時で3千人にもなるといわれ、世界最大級の交通量を誇る。多くの人々が四方八方から行き交う姿を見ようと、近年観光スポットとしても注目を集めている。渋谷駅前交差点 (渋谷|現代都市) – Live Japanより)

映画「真昼の誘拐」

1961

渋谷駅前交差点の夜景。現在の渋谷スクランブル交差点。

映画「真昼の誘拐」
監督:若杉光
1961(昭和36)年/日活
出演:高橋英樹、中尾彬、沢本忠雄、武内悦子、奈良岡朋子、山内明

映画「泥だらけの純情」

1963

タイトルバックの渋谷駅前交差点。左下がハチ公前広場、上に伸びるのが道玄坂。

映画「泥だらけの純情」
監督:中平康
1963(昭和38)年/日活
出演:浜田光夫、吉永小百合、小池朝雄、和泉雅子、滝沢修、細川ちか子

映画「踏みはずした春」

1958

少年院帰りの笠原(小林旭)と再会した子分のトンガリ(野呂圭介)達が笠原の愛人の店へと向かうシーンで渋谷駅前交差点が映る。

映画「踏みはずした春」
監督:鈴木清順
1958(昭和33)年/日活
出演:左幸子、小林旭、浅丘ルリ子、宍戸錠、殿山泰司

映画「狂熱の季節」

1960

明(川地民夫)が渋谷の街を歩いている途中、東急文化会館で開催されている文子(松本典子)の個展を見かけるシークエンスに渋谷駅前交差点が映る。

映画「狂熱の季節」
監督:蔵原惟繕
1960(昭和35)年/日活
出演:川地民夫、郷鍈治、松本典子、千代侑子、長門裕之

鑑別所帰りの明が富裕層の文子と出会ったことで、彼女の人生に再生不能な傷跡を残していく。刹那的に生きる明と難しい理屈で自らを追い詰めていく文子の対比。
富裕層の描き方がカリカチュアライズされすぎで、明の過剰に奔放な演技と併せて滑稽に見えてしまう点はあるが勢いのある映画だ。戦災復興とオリンピックで建設まっさかりの渋谷、いたるところが工事中だ。

 
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映画「泥だらけの青春」

1954

所属する劇団が破綻し加地(三國連太郎)と里村(山内明)はエキストラやフィルム運びで糊口をしのいでいた。雨の中フィルム運びをする加地。渋谷駅前交差点を通り宮益ガード方面へ向かう。

映画「泥だらけの青春」
監督:菅井一郎
1954(昭和29)年/日活
出演:三國連太郎、乙羽信子、高杉早苗

加地(三國連太郎)、奈々子(乙羽信子)、里村(山内明)は小さな劇団の団員。劇団が経営破綻で解散したことから、奈々子は父の店の手伝い、加地と里村はエキストラやフィルム運びで糊口をしのいでいた。ある日映画会社のニューフェイスに応募した加地はあることがきっかけで経営陣の目に止まり採用され、ベテラン女優京極真弓(高杉早苗)との共演で大スターとなる。加地は京極との愛欲に溺れ傲慢になる一方、かつての盟友達とは次第に疎遠になっていく。
名脇役として数多くの映画に出演している俳優菅井一郎の第一作目の監督作品。

映画「プーサン」

1953

野呂(伊藤雄之助)と家主の金森風吉(藤原釜足)がパチンコをし、自宅近くの代議士の五津(菅井一郎)を眺めるシーンの前に渋谷の駅前の風景がインサートされる。渋谷駅前交差点。後方に宮益ガード。左の足場が組んであるビルが「三千里薬品」の前身「三千里食堂」。ガードの後方「富士銀行」は現「みずほ銀行渋谷支店」。中央の高層建物は「宮益坂ビルディング」(現「宮益坂ビルディング ザ・渋谷レジデンス」)。

映画「プーサン」
監督:市川崑
1953(昭和28)年/東宝
出演:伊藤雄之助、越路吹雪、藤原釜足

野呂(伊藤雄之助)は善人で気弱な予備校教師。
妻を亡くした彼は金森風吉(藤原釜足)、らん(三好栄子)宅の下宿でつましく暮らし、娘のカン子(越路吹雪)にほのかな想いを寄せている。ある日教え子の左翼学生から誘われメーデーに参加した野呂は暴動に巻き込まれ逮捕されて職を失い、職探しに奔走する日々が始まる。
不器用な野呂と、スキャンダルを逆手にとって焼け太る代議士の五津(菅井一郎)、五津の後ろ盾を失い予備校を辞めてもしたたかに生きる学生泡田(小泉博)、挫折して故郷に帰る左翼学生古橋(山本廉)、医師をクビになり警察予備隊に入る手塚(木村功)らとを対比して描く。外食券を売り買いしたり、メーデー、警察予備隊など当時の風俗が色濃く描かれている。
原作は毎日新聞に連載されていた横山泰三の4コマ漫画「プーサン」と同じ作者の「ミス・ガンコ」。横山泰三と兄の横山隆一(「フクちゃん」「おんぶおばけ」などの作品がある漫画家/アニメーション作家)が警官役で1シーン出演している。

 
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映画「女子学園 ヤバい卒業」

1970

性教育の授業をきっかけに「セックスに関する調査」を行おうとする久保忠江(夏純子)のグループは、街なかで男子中学生のグループを調査対象としてつかまえる。男子中学生が歩いているのは渋谷駅前交差点。後方に渋谷駅の表示があり、その手前に当時ハチ公前広場にあった派出所がみえる。ハチ公前広場から道玄坂方面へ向かう横断歩道を渡っているところ。

映画「女子学園 ヤバい卒業」
監督:澤田幸弘
1970(昭和45)年/日活
出演:夏純子、岡崎二朗、城野ゆき、応蘭芳、河津清三郎、玉川伊佐男、藤圭子

白ばら学園に通う久保忠江(夏純子)ら5人の中学生グループはチンピラの小石(岡崎二朗)とも交流があり学校や警察から目をつけられている。彼女のグループは次々に起こす問題に対し学校側は無期停学処分を下す。これに対し忠江らは学園長の不正を暴こうと行動を始める。
他愛もないストーリーで、ピンク要素もそれほどなく映画としては見るべきものはない。夏純子が中学生という設定も無理筋だが、柳家金語楼の娘有崎由見子、唐突に歌謡ショーのシーンがはさまる藤圭子、宮下公園で歌う吉田拓郎が見られるのは収穫。

 
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映画「警視庁物語 顔のない女」

1959

冒頭渋谷の街からハチ公前広場までが映し出される。中央で建設中なのが峰岸ビル(現「QFRONT」宇田川町21-6)。その左が七店街ビル(現「渋谷西村總本店ビル」宇田川町22-1)。峰岸ビルの隣が「渋谷日活」と「渋谷松竹」(「現西武渋谷店A館」宇田川町21-1)。右下の三和銀行の一帯は現「MAGNET by SHIBUYA109」(神南1-23-10)。

映画「警視庁物語 顔のない女」1959年

渋谷駅前交差点とハチ公前広場。ハチ公は広場内の地下商店街入口の四角い屋根の上にみえる。

映画「警視庁物語 顔のない女」1959年

ドラマの最初に刑事達の休日の様子が描かれる。渋谷で彼女と待ち合わせの山村刑事(南廣)。渋谷駅前交差点の駅をはさんだ向かい、渋谷駅前ビル(道玄坂2-3)前あたりの地下鉄入口。

映画「警視庁物語 顔のない女」1959年

渋谷で待ち合わせをする山村刑事(南廣)のもとに彼女がやってくる。後方にJRと京王線の連絡橋。現「渋谷マークシティ」(道玄坂1-12-1)のあたり。

映画「警視庁物語 顔のない女」
監督:村山新治
1959(昭和34)年/東映東京
出演:松本克平、神田隆、堀雄二、南廣、花澤徳衛、山本麟一、須藤健、佐原広二、片山滉、岩上瑛 、佐久間良子、沢村貞子、加藤嘉 、菅井きん

荒川土手でバラバラ死体の胴体部分が発見される。別々の場所からその他の部分も見つかるがなかなか身元が割れない。死体の顔から摘出された義歯と美容整形で隆鼻手術に使う象牙を手がかりに捜査を進める刑事達。歯科医の証言で被害者はキャバレーの女給小沢初江と判明。荒川に何かを投げ込もうとしていたところを目撃された車の持ち主の男、初江と関係のあった男などを追うがいずれも真犯人ではなかった。「事件当夜仙ちゃんと云う男に車を貸した」という車の持ち主の妻の証言から米倉仙三という男が捜査線上に浮かび上がる。
7人の刑事達が足を使ってコツコツ捜査する「警視庁物語」シリーズの第9話。「マニキュアやペディキュアをしている女性は売春婦」という偏見、水上生活者、ダルマ船の酒場、ハンカチタクシーといった当時の風俗が描かれている。車の持ち主の妻に杉村春子、歯科医に加藤嘉、被害者が住んでいたアパートの大家に菅井きん、被害者が愛用していた訪問販売の化粧品会社の販売部長に高橋とよ…と脇役がやけに豪華な一作。

 
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映画「その人は昔」

1967

青年(舟木一夫)と洋子(内藤洋子)が上京した最初のシーン。渋谷駅前の空撮。左上を横切るのが山手線、画面を横断しているのが銀座線の車庫に向かう路線と井の頭線。赤い屋根が井の頭線渋谷駅。左上の山手線をまたぐ白い建物が「東急百貨店東横店東館・西館」。足元にハチ公前広場が広がる。銀座線の向こうの赤い看板の建物は「渋谷駅前会館」(現存、道玄坂1-3-1)、その向こうが「渋谷東急ビル」(のちに「渋谷東急プラザ」、現「渋谷フクラス」道玄坂1-2-2、)。中央の黄色い「サントリー」の看板は「渋谷駅前ビル」(現存、道玄坂2-3)、ナショナルの看板は「峰岸ビル」(現「QFRONT」宇田川町21-6)。建設中なのは「西武渋谷店A館」。

映画「その人は昔」
監督:松山善三
1967(昭和42)年/東宝
出演:舟木一夫、内藤洋子、山中康司、大木徹三

北海道の漁村で暮らす青年(舟木一夫)と洋子(内藤洋子)は、貧しい暮らしに嫌気がさし2人で上京する。最初は力を合わせながら暮らしていた2人だったが、青年は賭け事にうつつをぬかし、洋子は裕福な男性(山中康司)と付き合うようになる。結局既婚者であった男性に捨てられた洋子は青年のもとに戻ろうとするが…。
内藤洋子のヒット曲「白馬のルンバ」が聴ける。脳を揺らすような摩訶不思議なデュエット曲「恋のホロッポ」はクセになる。原作が「レコードドラマ」(音楽と音声のドラマでストーリーを構成したものか?)であったせいか、全体的にストーリーが希薄でイメージビデオのような印象。音楽担当の船村徹の演歌調のテイストが全編を支配し、ロック調やジャズ調の曲も垢抜けなさがぬぐえない。

映画「丘は花ざかり」

1963

野呂(二谷英明)にふられ、野崎(川地民夫)からもつれなくされた香山美和子(浅丘ルリ子)は同僚の山本(高田敏江)が呑んでいる渋谷のおでん屋に向かう。
渋谷駅前交差点の夜景。左側「週刊サンケイ」と赤い縦書きの「大興証券」の看板は戦後建てられたマーケット「大林百貨店」(現「渋谷駅前ビル」「大外ビル」道玄坂2-3)。その後の赤く丸いネオンは道玄坂の「渋谷東宝」(現「渋東シネタワー」道玄坂2-6-17)。白く光っているビルは「長谷川スカイラインビル」(現「ヤマダデンキ LABI 渋谷店」道玄坂2-29-20)、「パウリスタ」は「栄蘭ビル」(現「マツモトキヨシ渋谷Part2店」宇田川町23-4)、赤い縦書きの「宮田の家具」、白い「西村フルーツパーラー」、「千野時計店」「森永の洋菓子」は「七店街ビル」(現「渋谷西村總本店ビル」宇田川町22-1)。

映画「丘は花ざかり」
監督:堀池清
1963(昭和38)年/日活
出演:浅丘ルリ子、川地民夫、二谷英明

大学新卒の香山美和子(浅丘ルリ子)は出版社東洋評論社に入社する。香山は同僚の野崎正也(川地民夫)から告白され彼女も野崎に好意を感じていたが、それ以上に編集長の野呂真三(二谷英明)に惹かれている。香山の姉高畠信子(桂木洋子)には夫(松下達夫)がいたが、PTAの関係で知り合った妻帯者の石山春雄(山内明)との仲が進行している。一方石山はバーのマダム白川朝子(渡辺美佐子)を愛人としていた。
香山と野呂・野崎の恋愛、石山と高畑・白川の恋愛が進んでいく中で、現代的な価値観をもつ女性香山美和子は色々なことを学んでいく。
妻を亡くした野呂の家に平気で数日泊まり込む香山の感覚や、ラスト近く香山を諭す野呂のロジックなど色々受け入れ難い点がある。野崎がずっとかわいそう。川地民夫が可愛げのあるさわやかな青年を演じている。

映画「警視庁物語 謎の赤電話」

1962

新たな誘拐事件の発生の連絡を受け、渋谷警察署に向かう捜査一課の面々。渋谷警察署の前にまず渋谷駅前が映る。中央の電車は車庫から渋谷駅に向かう銀座線。その下はJR、東急東横線から井の頭線に渡る連絡通路。左側の建物は「東急百貨店東横店西館」。

映画「警視庁物語 謎の赤電話」
監督:島津昇一
1962(昭和37)年/東映
出演:神田隆 、堀雄二 、花澤徳衛(花沢徳衛)、南廣 、山本麟一 、須藤健、大木史朗 、小金井秀春 、久保一、滝島孝二 、最上逸馬 、山の内修、久保比左志 、桂京子 、亀石征一郎、岡部正純 、杉義一 、藤里まゆみ、愛川かおる 、伊澤一郎 、風見章子、水上竜子

捜査一課が犯人をとり逃がし、誘拐された子供が殺されるという失態を犯した。警察への批判一色の報道に、捜査一課の面々は必ず犯人を検挙することを決意する。そこへ渋谷警察署から新たな子供の誘拐事件が発生したとの連絡が入る。捜査主任(神田隆)らは誘拐された子供の家、小林家に向かう。小林家にかかってきた電話の逆探知で男(岡部正純)が逮捕されるが男は黙秘したまま。だがスリ担当の三課から移動してきた刑事により身元がばれると、男はバイトの学生に頼まれ電話をしたと白状する。刑事らが子供が軟禁されていた男の家に向かったがすでにもぬけのからだった。また刑事がかけつける直前に学生も下宿から引っ越していた。前回子供の命が奪われた10時が迫る中必死の捜査が続く。
逆探知をする電話局内のロケ、地下鉄内のロケなどシリーズの中でも力の入った、緊迫感ある一作。

映画「アリバイ」

1963

事件解決後渋谷の街を歩く畑中刑事(二谷英明)と佐川刑事(宮口精二)が被害者の妻子を見かけるシーン。
渋谷駅ハチ公前広場から現「三千里薬品神南店」(神南1-23-10)の方向を見る。「らんぶる」「紅茂」の看板から特定。なお「住友信託銀行」の看板の陰に「天津甘栗」「三千里食堂(三千里薬局の前身)」の看板が見える。

映画「アリバイ」1963年

ラストシーン。
渋谷駅前交差点の夜景。左側ネオンが集積しているのは戦後建てられたマーケット「大林百貨店」(現「渋谷駅前ビル」「大外ビル」道玄坂2-3)。その後の丸いネオンは道玄坂の「渋谷東宝」(現「渋東シネタワー」道玄坂2-6-17)。「マタンゴ」を上映中のようだ。各階が白く光り屋上に縦長のネオンがあるのは「長谷川スカイラインビル」(現「ヤマダデンキ LABI 渋谷店」道玄坂2-29-20)、「東亜」は現「ハイマンテン渋谷ビル」(宇田川町23-5)。「TEXTILE WORLD TOA」と名称を変更し神南で現在も営業中。「渋谷西村」「森永の洋菓子」は「七店街ビル」(現「渋谷西村總本店ビル」宇田川町22-1)、一番右は「峰岸ビル」(現「QFRONT」宇田川町21-6)。

映画「アリバイ」
監督:牛原陽一
1963(昭和38)年/日活
出演:二谷英明, 小高雄二, 渡辺美佐

経理士が自宅で銃殺され、現場から100万円の小切手が紛失した。畑中部長刑事(二谷英明)は拳銃の出どころを追ううち拳銃ブローカーの大野(小高雄二)という男に行き着く。警察は大野が犯人と目星をつけるが、大野には同時刻にある薬局にいたという目撃者がおり、また店内からは大野の指紋も検出された。一方小切手の発行主から汚職担当の捜査二課が長年目をつけていた中央貿易公司社長の呉羽(陶隆)が浮かび上がり、事件は複雑さを増していった。
警視庁協力のもと作られた本作は当局に配慮したためか堅実さはあっても今ひとつスリルに欠ける。

「映像の中の渋谷」参考文献
富田均「東京映画名所図鑑」(1992/平凡社)
富岡畦草「東京 消えた街角」(1992/玄同社)
川本三郎「銀幕の東京」(1999/中公新書)
野村宏平「ゴジラと東京 怪獣映画でたどる昭和の都市風景」(2014/一迅社)
宮崎祐治「東京映画地図」(2016/キネマ旬報社)
渋谷定点観測02-22
東京福袋の吉野 忍が 2002年に渋谷で撮影した写真とその20年後の2022年に同じ場所で撮影した写真をまとめた「渋谷定点観測02-22」。こちらも併せてどうぞ。