テレビをこじらせた東京福袋が書いたノンキなテレビコラム集。

[20C-0017]週刊女性 1957年12月22日号

「20世紀バックナンバーズ」は、昭和中期頃の雑誌に掲載されていた記事を現代の視点で楽しむコレクションです。なにぶん古い雑誌から収集した記事ですので画像に汚れや破れが目立ちますが、何卒ご容赦ください。

誌名 週刊女性 12月22日号
出版社 主婦と生活社
発行日 1957(昭和32)年12月22日
表紙 南田洋子

東大犬の受難

ヨシノこの年報じられた犬に関するニュース2件を紹介している。
1件は同年11月に打ち上げられたスプートニク2号に乗せられたライカ犬。そしてもう1件は東大の駒場祭で焼肉にされた犬だ。
調べると東大の学生新聞に載った記事をもとにしているようだが、「一高以来のバンカラの伝統を守りつぐ向陵会の健児は、犬の焼肉を売り出し、剛健なる精神を謳歌した」が、可愛がっていた子犬がいなくなったことに女子学生が抗議、学生からも批判が起こり学生部長も遺憾の意を表したというものだ。
当時東大の学生であった亀井静香が向陵会に所属していたことから、2000年10月には週刊新潮が「ワイド 真っ青な噂 ヒドい噂(Part2)」の中で「蒸し返された『亀井静香』東大時代の『犬殺し』」という記事を掲載した。また抗議した女子学生は樺美智子さんだったとか、いや畑正憲が飼っていた犬だったとか、怪しげな尾鰭がついたバージョンの噂もあるようだ。

毎日新聞広告デザイン総理大臣賞を受賞した学生

ヨシノ1957年毎日新聞広告デザイン総理大臣賞を受賞した二人の学生の記事。受賞したのは多摩美術大学図案科の直江玲子さんと岩永泉さん。コピーを直江さんが、グラフィックを岩永さんが担当した。
岩永さんはその後松下電器に入社し「ナショナル坊や」の制作に関わったり、日本万博の記念切手を制作したりとデザインの分野で活躍、2014年には初の絵本「ちょうかいちょうのキョウコちゃん」を出版している。

おう、ワンダフル日本ジャズ娘

ヨシノ当時「ジャズ」という言葉は幅広くポップスは全てジャズと呼ばれていた気がする。で、どんなジャズ娘かと思ったら秋吉敏子。本物のジャズじゃありませんか。
彼女はこの年の1月にバークレー音楽院に入学、12月現在では学業のほかにボストンのナイトクラブで演奏をし、音楽誌やテレビも注目しているというニュース。
かたやナンシー梅木。女優としての彼女しか知らなかったが元々はジャズシンガーだったということだ。スクリーンデビューの「サヨナラ」がこの年なのでこの時はすでに女優としても有名になっていたはず。
秋吉もナンシーも晴れ着でステージに立たされエキゾチシズムを前面に打ち出しているが、まあ時代が時代だからしょうがないのかもね。

愛読者スキーの集い

ミヤシタクリームを提供しているピアス化粧品本舗(現ピアス株式会社)は、公式サイトの「沿革」のページによると「映画『君の名は』全国各地でタイアップ」(1953)とか「ピアス スターパレード全国主要都市で愛用者招待実施」(1955)とか谷啓と梓みちよ主演のドラマ「『天下の若者』提供」(1964)などメディア戦略に力を入れていた模様。

ヨシノ今でも雑誌が愛読者を対象にツアーを主催することがあるのだろうか。「週刊女性」主催のこのスキーツアーは1月から2月の毎週金曜〜日曜の2泊3日で、毎回150名で草津に向かうもの。参加費1850円。ピアス化粧品本舗の後援で参加者全員に「ピアス・ベルクリーム」が進呈されるという。

10万円で建てられる一戸建て

ヨシノ東京有楽町S百貨店(そごうだろう)でM製菓(明治か森永だろうね)が主催する「暮らしのセンスとそれいゆ展」で10万円で建てられる一戸建てが展示中という話だ。
その間取りはLDK兼寝室の3.5畳の部屋が1室に玄関とトイレがついただけのもの。風呂は銭湯通いを前提としているらしい。狭い部屋を活用するために幅120cmのセミダブルベッドは昼間はソファとして使う、1つだけの電灯をレールで移動できる、下駄箱は置かずに靴を金具にかけるタイプにするなどの工夫がしてある。
今ならとても住みたくないような住環境だが、当時としても最低限まで削ったものなのだろう、この記事でも土地代を考慮していないこと等を指摘し、あくまで住居の可能性を示すためのものというまとめ方をしている。

中村メイコの結婚式

ミヤシタウィキペディアによれば2歳の時に映画「江戸っ子健ちゃん」でデビュー。現在87歳のメイコは今もなお現役で芸歴85年というとてつもない超弩級のベテランタレントである。歌手、女優、声優、司会、クイズの回答者、バラエティ番組に家族揃って出演……これだけのキャリアがあり幅広い活躍をしている人物なのに私達は何故か彼女の代表作を知らない。「田舎のバス」は中村メイコ? 楠トシエ? 「僕は特急の機関士で」は宮城まり子だっけ?
しかし、いつ見たのかどこで見たのかはっきりしないけれど私達は中村メイコをよく知っている。夫はヒゲを生やした作曲家の神津善行だし、長女は神津カンナ、次女は神津はづき、次女の夫は俳優の杉本哲太、年の離れた長男は画家の神津善之介ということまで知っている(有名人のお葬式でもよく見かける気がする)。国民的スターというよりも一世紀近くに渡り国民的人気タレントという稀有な存在だ。
そんなメイコの結婚記事は豪華な見開きグラビアページである。この記事によると場所は麻布鳥居坂教会、媒酌は徳川夢声夫妻。参列者もさぞや綺羅星の如き顔ぶれであったろう。

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