謎多き1月の歌「おべんとウインナー」

2024年1月の月の歌「おべんとウインナー」(詞・曲:平野航)。
擬人化されたウィンナーソーセージの双子の兄弟の「お弁当に入れてほしい」という気持ちを大人っぽいタンゴのリズムに乗せて歌う楽しいナンバーだ。

もくじ

月の歌の法則発見?

さて、この「おべんとウインナー」はとにかく情報量が多い。そして謎だらけだ。

まずはソーセージの双子の兄弟(当然、ソーセージ双生児そうせいじのかけことばだろう)。
このソーセージ達に体操の秋元杏月お姉さん佐久本和夢お兄さんが扮している。
幼稚園児のような衣装にリアルなソーセージをかぶったふたりは、いつもの表情豊かなお兄さんお姉さんではなくほぼ真顔。双子に見えるようなお化粧を施し、浮かない表情でユニークな振付のダンスを踊ったり喜んだりガッカリする様子が実に可愛らしい。

そういえば、1999年1月の月の歌「だんご3兄弟」をステージで歌う時もこんな感じだった。
歌の速水けんたろうおにいさん茂森あゆみおねえさん、「トライ!トライ!トライ!」の松野ちかおねえさんは、いつもの笑顔ではなくやけに神妙な顔で唄い踊っていた。
歌のテーマが食べ物という共通点、そしていずれもタンゴのリズムという共通点があるのが面白い。

あっ、もう1曲思い出した!
1曲というか1クリップなのだけれど、今井ゆうぞうおにいさんはいだしょうこおねえさんバージョンの「ごめんねピーマン」でゆうぞうおにいさんが素敵な憂い顔で踊っていたっけ。
ゆうぞうおにいさんは「ピーマン嫌いなのにピーマンが食べろ食べろと迫ってくるので困っている」という設定の役だったから憂い顔なのは当たり前といえば当たり前なんだけど、これも「食べ物+タンゴ=真顔」の謎の法則発令。

史上初? 生卵を割るおにいさん

さて、お弁当サイズのウィンナー兄弟が浮かない表情で踊っている一方、ニコニコ笑顔で登場するのは、歌の花田ゆういちろうお兄さんながたまやお姉さん。ふたりは鮮やかな紫のエプロンと赤のエプロン姿で、一般家庭のキッチンを模したセットの中でいきいきとお弁当作りに励んでいる。
ゆういちろうお兄さんがおにぎりを握ればまやお姉さんがハンバーグを焼き、まやお姉さんが冷蔵庫からミニトマトを取り出せばゆういちろうお兄さんが卵焼きを作るという見事な連携プレイ。

見どころだらけの「おべんとウインナー」のクリップだが、「きらきらアイドル」の歌詞に合わせてまやお姉さんがアイドルチックなポーズをキメるとキラキラのエフェクトがかかるところ、「そこでキセキがおきた(キラキラ)」の「キラキラ」のコーラスに合わせてゆういちろうお兄さんが左手をパーにして控えめにキラキラを表現するところがキュートすぎて何度見てもニヤニヤしてしまう。

だが! この歌のハイライトは何といってもゆういちろうお兄さんが片手で玉子を割るところ! しかも2個!

このクリップのために猛練習したとも考えられるが、1月4日、今年最初の「しりたガエルのけけちゃま」コーナーでゆういちろうお兄さんからけけちゃまに届いた年賀状に

さいきんは おみそしるとかぬかづけとか からだにいいものをたべるのがすきです

と書いてあったので、ゆういちろうお兄さんは普段からしっかりお料理をしている人なのではあるまいか。
だって、味噌汁&漬物に凝っているって、これかなりの上級者でしょ。
いずれにせよ、片手で鮮やかに玉子を割るシーンはゆういちろうファンの視聴者へのステキなお年玉なのだった。

ひょっとして、ゆういちろうお兄さん月の歌でホンモノの玉子を割った番組史上初の歌のおにいさんじゃないかしらん。
あっちっちのフライパン」とか「たまごまごまご」とか「チキンダンス」とか「ポンヌフのたまご」などなどたまご料理が出てくる歌は数あれど、月の歌の中で生卵をおにいさんが割っているところを見た記憶がない!
というか、たぶんどのおねえさんもしんすけさんも割ってないよね?

おべんとウインナーは謎だらけ

それにしても、ゆういちろうお兄さんまやお姉さんが協力して作ったこの可愛らしいお弁当は一体誰が食べるのだろう?
子ども?(誰の?)
食いしん坊キャラ設定のまやお姉さん?(ゆういちろうお兄さんの分も作ってあげて〜)

そして、この歌のクリップにおけるふたりの間柄も謎なのである。
我が子のお弁当をウキウキ作っているパパとママなのか、仲良しの兄と姉なのか、同棲中の恋人同士なのか、歌のお兄さん&お姉さんなのか。

謎はまだある。

  • 歌の中では一般的な表記通り「ウィンナー」と唄っているのに、何故かタイトルは「おべんとウインナー」(小さい「」ではなく大きい「」)。
  • ハンバーグのことを「あいつ」呼ばわりした直後に「ハンバーグにいさん」と敬称をつけて呼んでいる。
  • 一番わからないのが、お弁当箱最後の一枠に入れられた「ハタチのアスパラベーコン」。どうしてハタチ? 何がハタチ? 毎日考えていたがまったく思いつかなかったので、1月第2週に入ったあたりで考えるのをやめた。

そして、ワタクシ的に最大の謎は「月の歌なのに歌詞が表示されたり表示されなかったりする」である。

途中10年ほどのブランクありとはいえ、私はこの30年「おかあさんといっしょ」を毎日見てきた者なのだが、「月の歌といえば歌詞表示、言い換えれば歌詞が表示されていれば今月の歌」なのだと思っていた。
とはいえ、どういう事情かは知らねどちょくちょく例外もあって、今月の歌ではないのに歌詞が表示されるクリップもあった。だが、今月の歌なのに歌詞が出ないクリップというのは今まで見たことがない。

十歩譲って「全部歌詞表示なし」というならまだわかる。
だが、歌詞が表示される日と表示されない日があるから混乱してしまうではないか。

なお、歌詞が表示された日は以下の通り。

備考
1月04日木曜日2024年初放送日
1月08日月曜日祝日(成人の日)
1月15日月曜日
1月22日月曜日
1月29日月曜日1月8日の再放送
2024年1月の「おべんとウインナー」歌詞表示ありの日一覧

あ、毎週月曜表示?でも木曜にも表示されてるし……?
いや、まあ、皆さん、とっくに気づいてましたよね?

とはいえ、にぶい私でも途中で「ああ、なるほどこれは……」と思ったのだけれど、念の為、第5週の月曜のオンエアまで待ってみた。今週は第2週の再放送の模様。というわけで予想通りの結果に。
そう、今月の歌「おべんとウインナー」は、週の最初の放送日だけ歌詞が表示されているのだ(1月1日〜1月3日は通常放送なし)。

でも、どうして?
シロウトなりにあれこれ考えてみたのだが、

  • 歌詞を下部一列に表示すると画面がごちゃごちゃするから(表示する日は左下のすみっこに小さめに表示される)
  • 昔と違い、今はテレビの字幕機能をオンにすれば歌詞が表示されるから
  • NHKの「おかあさんといっしょ」公式サイトに歌詞が掲載されているから

といったところだろうか。全部正解かもしれないし、全部的外れかもしれない。
2月の月の歌が以前のように毎日画面下部に一列歌詞表示されるようになったらが正解か。
昔のように講談社の雑誌「NHKのおかあさんといっしょ」が月刊だったら「別冊ファミリースタジオ」で制作側からの説明やコメントが読めたかもしれないが、最近は年に2回の発行のためすぐに答え合わせできる可能性は低い。講談社の幼児向け雑誌のサイトの「WEBげんき」あたりで記事になるのを期待するばかりだ。

今後も楽しみウインナー

この歌がファミリーコンサートでどういう風に歌われるのか今から楽しみ。
エプロンをしたゆういちろうお兄さんまやお姉さんが歌う傍らで、リアルなソーセージ帽をかぶったあづきお姉さんかずむお兄さんがあの真顔で踊ってくれるだろうか(この歌だけはファンターネの皆さんに任せないでほしい!)。
2月以降の「おべんとウインナー」も目が離せない。

なお、体操前の自然の映像コーナーの生き物の名前が、映像の最初から最後まで表示されるようになったのも1月4日からの大きな変更点。
以前は生き物の映像が流れ始めてワンクッションおいてから名前が表示され、ほんの一瞬で表示が消えていたのだけれど、映像が流れている間、ずっと表示されているほうがどう考えても視聴者フレンドリー。これは良い改革。【み】

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