ハロ〜 スーイス〜

チューリッヒ生命を御存知だろうか。
スイスのチューリッヒを拠点に、60カ国に事業を展開するチューリッヒ・ファイナンシャル・サービシズ・グループの生命保険部門である。
そもそもこのグループは、1998年9月、B.A.T.インダストリーズ社の金融サービス部門と…おっと、そんなことはどうでもよい。問題はチューリッヒ生命のCMである。
チューリッヒ生命と言ってわからない御仁も、「ハロ〜 スーイス〜」のCMの保険会社と言えばわかるかもしれない。雨の中、娘の演奏会に車が故障していけなくなりそうになるアレである。
問題というのは、この「ハロ〜 スーイス〜」が頭について離れないことだ。女声が「ハロ〜 スーイス〜」を何度も転調し、繰り返す。途中合の手のようなものは入るが、基本的に「ハロ〜 スーイス〜」の繰り返しである。しかも微妙な間をおいて繰り返すものだから、あたかも御詠歌のように永遠に続くのではないか、という錯覚を呼び起こす。
チューリッヒ生命にとってはこれは大成功だろう。何しろ寝ても覚めても頭の中で「ハロ〜 スーイス〜」である。いや、このメロディばかり頭の中に残って、チューリッヒという社名は憶えてもらえないのは却って失敗だったのかもしれない。【吉】

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