ヤワラさんの始球式

故・ナンシー関氏も書いていた。
「ヤワラさんは意外と露出度が高い」と。
ヤワラさんとは、言うまでもなく柔道の田村亮子選手のことだ。ちなみにナンシー師匠は、世間が無条件に田村選手のことを「ヤワラちゃん」と呼ぶことに頑なに反発し、最後まで「ヤワラさん」という不自然な呼称を使っていたものだ。
さて、露出過剰のヤワラさんの話である。本当はこんなことは無視するのが一番だと思うのだが、滅入る気持ちを引きずりながらあえて書く。
3/31のヤフーBBスタジアムで開催されたオリックス-西武戦の始球式に、婚約者であるオリックス谷選手と同じ背番号「10」のユニフォームで登場した田村亮子選手。
婚約前から春期キャンプで公開デートをするなど、球団のパブリシティに協力してきた谷・田村カップルのこと、背番号「10」で始球式に臨むくらい、別に不思議でもなんでもない。
だが、問題はそのユニフォームの形にある。
どういうわけか上着の丈が短いのである。その丈、バストの下あたり。田村亮子選手の腹部丸出しである。この世の中のどこに「鍛え上げた腹筋をマウンド上で丸出しにする田村亮子選手」というビジュアルに対するニーズがあるのか、私には全くわからぬ。

デイリースポーツ
2003/4/1付「デイリースポーツ」より

オリックス戦を観戦に来た観客たちは一体どういう思いでこの始球式を見つめたのか。いや、見ることもかなわずうつむいてひたすら時が過ぎるのを待つだけだったのか。
今やヤフーBBスタジアムなどというトンチンカンな名称になってしまったが、かつてここは日本一美しいスタジアム「グリーンスタジアム神戸」だったのだ。オリックスのエース、我らが星野伸之投手が華麗なる投球を繰り広げた聖なるマウンドである。「屈辱」「冒涜」などというやたらと画数の多い漢字が脳裏をめぐるばかりである。悲しい。【み】

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